[OR17-1] 解剖学的左室-肺動脈心外導管術を行った修正大血管転位症の予後
キーワード:修正大血管転位症, 心外導管, 成人先天性心疾患
【目的】修正大血管転位症(ccTGA)は合併奇形が多岐にわたることから治療戦略にはまだ議論の多い疾患である。ccTGAに肺動脈狭窄あるいは閉鎖を合併している症例に対し、解剖学的左室―肺動脈心外導管術(conventional Rastelli術)を施行されている患者の遠隔期予後を調べたため報告する。【方法】対象は2000年から2019年までに当院外来でフォローされていたccTGAの患者のうちconventional Rastelli術を施行されている患者。診療録を用いて後方視的に検討を行った。【結果】対象患者は25例(男性/女性12/13)。フォロー時の平均年齢は38±10歳(17-51歳)であった。初回のconventional Rastelli手術時の年齢は10±6歳(4-26歳)で、遠隔期死亡は4例(心不全2名、突然死1名、乳癌1名)、再手術としてRastelli術を7例、三尖弁置換術を2例、大動脈弁置換術を3例に行われていた。経皮的導管拡張術は4例に行われ、うち1例は無効だったために再手術となった。遠隔期合併症としては心房性不整脈を11例、心室性不整脈を3例、心不全を9例、感染性心内膜炎を4例に認めた。右室収縮能低下・三尖弁逆流が心不全や心関連死亡のリスクファクターであり、導管狭窄の有無との関連はなかった。【結語】ccTGAに対するconventional Rastelli術の遠隔期合併症は不整脈が多く、約40%で導管狭窄への介入が必要であった。心不全や心関連死亡は三尖弁逆流・右室機能低下と関連しており、導管狭窄の有無との関連はなかった。