[OR17-2] 当院でフォローしている成人期に達した修正大血管転位症の検討
キーワード:ccTGA, 心不全, 体心室右室
【背景】修正大血管転位症 (ccTGA)に対しfunctional repairを行った場合, 解剖学的右室が体心室を担うことになる. 解剖学的右室はその特性から右室機能低下による心不全を発症することが多く, 長期的な心機能予後が問題である.【目的】体心室右室であるccTGA症例の長期的な経過を明らかにする.【方法】1964年から2020年までにccTGAで当院に通院歴のある患者のうちfunctional repairあるいは未手術症例14例を診療録をもとに後方視的に検討した.【結果】14例は男性10例, 女性4例. 年齢は20歳から50歳 (中央値30.5歳)であった. 合併奇形はVSD 8例 (57%), PS 7例 (50%), PA 2例 (14%), 右胸心3例 (21%), Ebstein奇形 2例 (14%)だった. 手術歴は Rastelli手術 7例 (50%), TVR 4例 (29%), VSD閉鎖術8例 (57%)であり, 複数回の手術既往がある症例は3例 (21%)だった. 7例に不整脈既往があり, AF 2例, cAVB 4例, Sick Sinus 1例だった. このうちPMIを行った症例は5例だった. 慢性心不全の増悪に伴い20歳以上でCRT植込を行った症例は3例あった. これらの症例はいずれも臨床症状, BNPやCTR, QRS幅の改善が得られていた. 【結語】体心室右室となるccTGA症例は長期的に心不全の増悪に対処が必要であり、多くの症例で抗心不全療法を行っていた. CRT植込も3症例あったが, 心不全に対しては有効であった. 長期的に慢性心不全に対して集学的な治療が必要になると思われる.