[OR17-5] 純型肺動脈閉鎖症におけるFontan術後遠隔期の左室機能に関与する因子について
キーワード:純型肺動脈閉鎖症, フォンタン手術, 左室機能
【背景】純型肺動脈閉鎖症では新生児期の三尖弁輪径や右室容積、類洞交通の有無やその程度が治療方針決定の重要な要素となるがFontan術後遠隔期における左室機能に関与する因子は明らかでない。
【目的】成人期純型肺動脈閉鎖症患者のFontan術後の左室機能に関与する因子を検討すること。
【対象・方法】当院でフォローしている純型肺動脈閉鎖症患者のうち、15歳以上でカテーテル検査を行った19人(APC type:8人, LT type:4人, extra TCPC type:7人)が対象。年齢は28±7歳、男性6人(32%)、Fontan手術年齢は8±6歳、Fontan術後年数は17±8年。左室収縮能低下群(LVEF50%未満:5人)と保持群(LVEF50%以上:14人)の2群間に分け、患者背景、Fontan術前、Fontan術直後、Fontan術後遠隔期のカテーテル検査所見を元に、左室収縮能に関与する因子について検討した。right ventricle-dependent coronary circulation(RVDCC)は2本以上の主冠動脈の狭窄や主冠動脈の起始部の閉塞が疑われるものと定義した。
【結果】RVDCCは4人(21%)、類洞交通は12人(63%)、心筋シンチで心筋障害陽性例は6人(32%)に認めた。収縮能低下群で有意に男性(4/5 vs 2/14, p<0.05)、RVDCC(3/5 vs 1/14, p<0.05)、心筋障害陽性例(4/5 vs 2/14, p<0.05)が多く、類洞交通の有無で有意差は認めなかった。またFontan術後遠隔期では収縮能低下群でLVEDVIが高値 (114±32 vs 83±18 ml/m2, p<0.05) 、Fontan術前では収縮能低下群で右室圧が高値(151±24 vs 89±44 mmHg, p<0.05)、Qsが低値(2.3±0.3 vs 3.5±0.7 L/min/m2, p<0.01)、Fontan術直後では収縮能低下群で収縮期血圧と体血管抵抗が高値(110±14 vs 94±11 mmHg, p<0.05, 36.6±14.6 vs 24.6±8.0 Wood unit, p<0.05, respectively)であった。
【結語】純型肺動脈閉鎖症患者ではFontan術後遠隔期の左室機能にRVDCC、Fontan術前の右室圧高値、術後の後負荷が影響している。
【目的】成人期純型肺動脈閉鎖症患者のFontan術後の左室機能に関与する因子を検討すること。
【対象・方法】当院でフォローしている純型肺動脈閉鎖症患者のうち、15歳以上でカテーテル検査を行った19人(APC type:8人, LT type:4人, extra TCPC type:7人)が対象。年齢は28±7歳、男性6人(32%)、Fontan手術年齢は8±6歳、Fontan術後年数は17±8年。左室収縮能低下群(LVEF50%未満:5人)と保持群(LVEF50%以上:14人)の2群間に分け、患者背景、Fontan術前、Fontan術直後、Fontan術後遠隔期のカテーテル検査所見を元に、左室収縮能に関与する因子について検討した。right ventricle-dependent coronary circulation(RVDCC)は2本以上の主冠動脈の狭窄や主冠動脈の起始部の閉塞が疑われるものと定義した。
【結果】RVDCCは4人(21%)、類洞交通は12人(63%)、心筋シンチで心筋障害陽性例は6人(32%)に認めた。収縮能低下群で有意に男性(4/5 vs 2/14, p<0.05)、RVDCC(3/5 vs 1/14, p<0.05)、心筋障害陽性例(4/5 vs 2/14, p<0.05)が多く、類洞交通の有無で有意差は認めなかった。またFontan術後遠隔期では収縮能低下群でLVEDVIが高値 (114±32 vs 83±18 ml/m2, p<0.05) 、Fontan術前では収縮能低下群で右室圧が高値(151±24 vs 89±44 mmHg, p<0.05)、Qsが低値(2.3±0.3 vs 3.5±0.7 L/min/m2, p<0.01)、Fontan術直後では収縮能低下群で収縮期血圧と体血管抵抗が高値(110±14 vs 94±11 mmHg, p<0.05, 36.6±14.6 vs 24.6±8.0 Wood unit, p<0.05, respectively)であった。
【結語】純型肺動脈閉鎖症患者ではFontan術後遠隔期の左室機能にRVDCC、Fontan術前の右室圧高値、術後の後負荷が影響している。