[OR24-3] 当院における3rd line治療としてのステロイドパルス療法の有効性の検討
Keywords:川崎病, ガンマグロブリン不応, ステロイドパルス療法
【背景】川崎病の15~20%は免疫グロブリン超大量(IVIG)療法によって解熱しない治療抵抗性である。IVIG抵抗性川崎病に対してさまざま治療が行われているが、それぞれメリット、デメリットがあり、当院では1st line、2nd line治療としてIVIG療法を、3rd line治療としてステロイドパルス(IVMP)療法を施行している。【目的】3rd line治療としてのIVMP療法の有効性、安全性について検討する。【対象と方法】対象は2010年1月1日から2019年12月31日に当院にて外来フォローを行った川崎病351例のうち、当院にて3rd line治療としてIVMP療法を行った患者19例(以下IVMP群)とした。これらの症例における臨床像、転帰、冠動脈病変の合併、有害事象、IVIG不応予測スコアについて検討した。また、当院で治療を開始し2nd line治療にIVIGを追加し解熱した患者17例(以下IVIG追加群)の検討も行った。【結果】中央値(最小値~最大値)で示す。IVMP群は男児11例、女児8例、発症時の年齢は3歳(3ヶ月~10歳)、不全型川崎病はなく、治療開始日は第4病日(第3~7病日)、IVMP療法開始日は第7病日(第5~12病日)であった。IVMP療法後に追加治療を要した症例は5例でインフリキシマブ投与(1例)、血漿交換療法(2例)、IVIG追加(2例)であり、退院時に冠動脈病変(z score≧+2.5)を合併した症例は3例(16%)でいずれも小冠動脈瘤で巨大瘤は認めなかった。高血圧、徐脈などは認めたものの重篤な副作用を認めなかった。IVIG追加群と比較しIVMP群ではIVIG不応予測スコア(群馬スコア:5[0~9]vs7[3~10]、p=0.027/久留米スコア:2[0~5]vs4[1~6]、p=0.003/大阪スコア:1[0~3]vs2[1~3]、p=0.046)が有意に高かった。また、IVIG追加群のうち11例(64%)は群馬スコア5点以上であった。【結論】3rd line治療としてのIVMP療法は有効であり、安全に施行できる。またIVIG不応と予測される患者でも2nd line治療としてのIVIG追加は有効であると考えられる。