The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

外科治療

デジタルオーラル(I)26(OR26)
外科治療1

指定討論者:白石 修一(新潟大学大学院医歯学総合研究科 呼吸循環外科学分野)
指定討論者:野村 耕司(埼玉県立小児医療センター 心臓血管外科)

[OR26-4] 当院における純型肺動脈閉鎖症に対する治療経験

吉澤 康祐1, 長門 久雄1, 前田 登史1, 森 おと姫1, 植野 剛1, 岡田 達治1, 大野 暢久1, 稲熊 洸太郎2, 豊田 直樹2, 石原 温子2, 坂崎 尚徳2 (1.兵庫県立尼崎総合医療センター 心臓血管外科, 2.兵庫県立尼崎総合医療センター 小児循環器科)

Keywords:純型肺動脈閉鎖, 単心室, 類洞交通

【背景】純型肺動脈閉鎖(PAIVS)は右心室や三尖弁の成熟程度によって戦略が異なる。当院では、右室減圧可能なPAIVSにはBrock手術や経皮的肺動脈弁形成(PTPV)などで順行性肺血流を確保したうえでBT shuntを追加し、成長過程で単心室、1+1/2心室、2心室の方針を決定するようにしてきた。【目的】当院でのPAIVSの治療経過と成績を検討すること。【対象】2000年以降、当院で介入を行ったPA/IVSは9例(男5:女4)であった。類洞交通: 4例、うち右室依存性冠血流:3例。【結果】初回介入は、平均10 (1-19) 日で行われ、手技はPTPV :2例、open Brock手術 :1例、Brock手術 + BT shunt :3例 (open:1, closed: 2)、BT shunt :3例であった。PTPVは肺動脈、右室同時造影で肺動脈弁閉鎖部を同定し、RFワイヤによる穿通を行った。PTPVの2例はPTPV後1, 20日後にBT shunt手術を行った(1例はopen Brock手術併施)。最終的に2心室修復を行った症例は4例でこれらの平均RVEDVは正常比88.9 (67 -102.5) %、2例はBT shuntプラグ閉鎖により2心室修復へと到達、2例は外科的にASD閉鎖と肺動脈弁形成を行い2心室修復に到達した。1+1/2心室修復を行った症例は1例で、RVEDVが正常比75%で、両方向性グレン手術(BDG)を経てASD完全閉鎖・一弁付きパッチによる右室流出路再建を行った。単心室修復に至った症例は4例で、平均RVEDVは正常比18.3 (8-41.3) %であり、全例BDGを経てEC-TCPCに到達した。類洞交通は、4例に認め、全例が単心室修復患者であった。手術、遠隔死亡なし。【結語】右室形態、血行動態に基づいた治療計画により全体の成績は良好であった。PAIVSは内科、外科の緊密な連携による診断、治療計画の確立が重要であると考えられた。