The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

外科治療

デジタルオーラル(I)28(OR28)
外科治療3

指定討論者:小沼 武司(三重大学医学部大学院医学系研究科 胸部心臓血管外科)
指定討論者:櫻井 一(中京病院 心臓血管外科)

[OR28-2] 右室流出路再建術におけるbulging sinusおよびfan-shaped ePTFE valve付きePTFE conduit(Yamagishi導管)の短期-中期的成績とグラフトサイズ選択

村山 史朗, 野村 耕司, 黄 義浩, 磯部 将 (埼玉県立小児医療センター 心臓血管外科)

Keywords:右室流出路再建, ePTFE graft, 肺動脈弁

【目的】右室流出路再建術では種々の人工弁が用いられているが、ePTFE valved conduitは、長期にわたり良好な弁機能を維持することが示されており、当院でも近年利用している。今回当院における、術後短期-中期的な成績を明らかにし、適切なグラフトサイズ選択について考察する。【対象と方法】2012年から2019年までのbulging sinusおよびfan-shaped ePTFE valve付きePTFE conduitを用いて右室流出路再建を行った症例42例を検証。年齢中央値3歳(range 0歳-19歳)、フォローアップ期間2.1±1.9年、グラフト14-24mmを使用。UCGで術後早期および最終フォローアップ時のPV max flow(m/s)およびPR、PA index、弁形態、グラフト感染の有無、死亡率を評価した。【結果】術後死亡はなし。また術後経過中、グラフト感染や再置換は認めなかった。手術時体重中央値は11.4kg(range 6.8-77kg)。グラフト選択は14mm1例(体重:16kg)、16mm15例(平均体重:9.5±1.kg)、18mm10例(11.7±3.kg)、20mm4例(36±8.4kg)、22mm10例(47.7±1kg)、24mm2例(45±8.kg)。術後早期のPV max1.5±0.64m/s、PRはmoderate2例、その他全てmild以下、PA index165±78mm2/m2であった。術後早期にPV max>2.5m/sとなった症例は5例あり、うち4例は22mmの大口径グラフトであり、4例でのPA indexの値は132±24 mm2/m2であった。またPR moderate2例も22mmの大口径グラフトを使用していた。最終フォローアップ時の全症例のPV max2.1±0.71m/sであり、PRはmoderate3例、その他全てmild以下、PA index181±84 mm2/m2であった。弁形態としてPV max4.4m/sの1例のみ半閉鎖位固定の変化を示した。【結語】bulging sinusおよびfan-shaped ePTFE valve付きePTFE conduitの短期-中期的な弁機能は良好であった。術後早期では大口径グラフト(22mm以上)でPV maxが高い傾向が見られたが、肺動脈とのサイズミスマッチによる影響の可能性が示唆された。