The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

外科治療

デジタルオーラル(I)29(OR29)
外科治療4

指定討論者:橘 剛(神奈川県立こども医療センター循環器内科・心臓血管外科)
指定討論者:小谷 恭弘(岡山大学 心臓血管外科)

[OR29-4] CoPAを合併した先天性心疾患に対する、人工心肺使用下central PA plasty+BTシャントの検討

中田 朋宏1, 城 麻衣子1, 渡部 聖人1, 安田 謙二2, 中嶋 滋記2, 猪飼 秋夫3, 藤本 欣史4, 織田 禎二1 (1.島根大学医学部附属病院 循環器・呼吸器外科, 2.島根大学医学部附属病院 小児科, 3.静岡県立こども病院 心臓血管外科, 4.静岡県立総合病院 集中治療科)

Keywords:肺動脈縮窄, 中心肺動脈形成, BTシャント

【背景】当院では肺動脈縮窄(CoPA)に対して、分枝を温存し、左右PAを形態を良好に保つために、初回手術として人工心肺下にPA形成を施行している。【対象】2015年以降の、術前にPA血流維持のためにPGE1持続静注を要し、CoPAに対して、PA形成+BTシャントを施行した連続15例。疾患は、BVR群10例(PAVSD 5例、TOF 3例、cTGA、DORV 1例ずつ)、UVR群5例(MA 2例、Asplenia、TA、DORV+hypo RV 1例ずつ)であった。日齢は63±26、BW4.4±0.8kgであった。P弁狭窄は5例、P弁閉鎖は10例であり、両側SVCが5例、鎖骨下動脈起始異常(AORSCA)が2例であった。【手術】PA形成は、人工心肺下に、PDA組織を可及的に切除し(P弁閉鎖の場合はmain PAも離断する)、一旦離断した左右PAを端々吻合(後壁は8-0連続縫合、前壁は8-0単結節縫合)で行うのを基本術式としている。TOFの2例では、main PA左側壁~左PA下壁をL字状に切開し、壁同士を合わせる形成を行った。BTシャントは無名動脈(AORSCAの場合は総頸動脈)を流入路とした。【結果】全例生存退院したが、PAVSDの1例が術後4ヶ月で自宅で涕泣後に急変し、遠隔死となった。PA形成術後の肺血流シンチグラムでは、左右肺血流不均衡(血流比7:3以上)は3例で、うち2例に術後2-3ヶ月でカテーテルinterventionを要した。PA indexが小さく、PAの更なる成長を促すためshuntのsize upを要したものが2例あった。第2期手術以降においても、局所的なPA狭窄に対しては積極的に外科的介入(自己心膜またはePTFE patch拡大)を行い、6例で再形成を行った。BVR群は7例が根治術到達し、2例は待機中。UVR群は4例がFontan到達し、1例がBDGまで終了している。根治到達例の肺血流不均衡例はなく、また全症例において分枝の損傷例はなし。【結語】CoPAを合併した症例に対するPA形成は、多くが良好な左右PA形態およびバランスを得ることが出来、またその後もCT及び血流シンチによる評価から、積極的な内科的また外科的介入を行い、良好な最終形態を得ることが出来た。