The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

外科治療

デジタルオーラル(I)29(OR29)
外科治療4

指定討論者:橘 剛(神奈川県立こども医療センター循環器内科・心臓血管外科)
指定討論者:小谷 恭弘(岡山大学 心臓血管外科)

[OR29-5] Pulmonary Coarctationを合併した肺動脈閉鎖症、機能的単心室症に対する胸骨正中切開アプローチによる中心肺動脈形成、BTシャント術変法の成績

小泉 淳一1, 辻 重人1, 猪飼 秋夫2, 滝澤 友里恵3, 中野 智3, 斎木 宏文3, 高橋 信3, 小山 耕太郎3, 金 一1 (1.岩手医科大学 心臓血管外科, 2.静岡県立こども病院 心臓血管外科, 3.岩手医科大学 小児科)

Keywords:肺動脈閉鎖, 単心室, Pulmonary coarctation

【目的】当院ではpulmonary coarctation(CoPA)を合併した肺動脈閉鎖、単心室症PA/SVに対し人工心肺下に中心肺動脈形成、BTシャント術変法を基本術式としており、その成績を検討した。【方法】2007年1月から2019年12月までにCoPAを合併したPA/SVの19例を後方視的に検討した。【結果】日齢36日(2-90)、体重3.4kg(2.2-4.6)、合併病変は無脾多脾症候群12例、中心肺動脈欠損/両側PDA3例、TAPVC4例であった。BTシャントサイズは3mm:3例、3.5mm:13例、4mm:2例(RV-PA6mm:1例、RV-PA→BTシャントへconversion2例)。同時手術としてTAPVC修復3例、房室弁修復を1例に施行した。急性期死亡2例(2、16病日)、遠隔死亡2例(4、7ヶ月)であった。死亡4例を除いた15例が生後5ヶ月(4-23)でBDGに到達した。BDGの同時手術は肺動脈形成術5例、房室弁形成術2例、TAPVC修復術1例であった。BDGに到達した15例のうち12例がTCPCへ到達、2例が待機中、1例は低酸素脳症のため適応外とされた。BDG術前の心カテ(n=15)ではQp/Qs0.92(0.43-1.65)、PA index185mm2/m2(68-317)、心室EDV172%of normal(103-314)、心室EF58.1%(48.3-71.4)、房室弁逆流1度(0-3)であった。TCPC前の心カテ(n=14)ではQp/Qs0.72(0.37-0.90)、PAP10mmHg(7-13)、PA index180mm2/m2(86-239)、心室EDV151.5%of normal(105-223)、心室EF55.0%(42.0-61.2)、房室弁逆流1度(0-2)であった。TCPC後の心カテ(n=12)はTCPC後49.5ヶ月(5-113)に施行され、PAP11mmHg(8-13)、Rp1.45(0.63-2.60)、PA index234mm2/m2(84-393)、心室EDV113%of normal(75.7-166)、心室EF52.8%(47.8-69.0)、房室弁逆流1度(0-2)であった。【結語】CoPAを合併したPA/SVに対する中心肺動脈形成、BTシャント術変法は約30%にBDG時の肺動脈再形成術を要したが、最小限の手術回数で良好な肺動脈の発達が得られた。しかし急性期死亡や遠隔期合併症が散見され、きめ細かい周術期管理やBDG手術時期の検討が重要と思われた。