The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

一般心臓病学

デジタルオーラル(II)02(P02)
一般心臓病学2

指定討論者:岸 勘太(大阪医科大学 小児科)

[P02-3] ドプラ心エコーは小児右室圧負荷例の右室圧を過大評価する

山田 俊介, 岡崎 三枝子, 豊野 学朋 (秋田大学 医学部 小児科)

Keywords:右室収縮期圧, Bernoulli変法, 測定誤差

【背景】右室収縮期圧測定のgold standardは侵襲的右心カテーテル法である. 心エコー法による連続波ドプラ法で三尖弁逆流ジェット波形を描出できれば, Bernoulli変法による非侵襲的右室収縮期圧推測が可能となる. 小児を対象とし非侵襲的右室収縮期圧の正確性を評価した報告は限定的である.【目的】小児例における非侵襲的右室収縮期圧と侵襲的右室収縮期を比較し, 推測値の正確性を検討する.【方法】前方視的に右心カテーテル検査と心エコー検査を同時に受けた小児例を対象とした. 非侵襲的右室収縮期圧はBeroulli変法で算出した最大右心室-右心房圧較差と右心房圧の和とした. 右心房圧は下大静脈呼吸変動率と肝静脈血流パターンより推測した.【結果】対象は66例で年齢は0.2-12歳 (中央値1.4) で女児が62%を占めた. 原疾患は先天性心疾患52例, 肺動脈性肺高血圧症14例であった. 侵襲的右室収縮期圧は23-75mmHg (中央値47.5) であった. 心エコー法で推測された非侵襲的右室収縮期圧は侵襲的右室圧と良好な一次相関を示した (p<0.001, r = 0.82, 図1). 非侵襲的右室圧と侵襲的右室圧の差を両者の平均で除した相対誤差は-76%-67% (中央値11%) であった. 非侵襲的右室圧と相対誤差は良好な正の一次相関を示した (p<0.001, r = 0.63, 図2). 非侵襲的右室圧>60mmHgの例では, 推測値の上昇と共に右室収縮期圧をより過大評価した.【結論】ドプラ心エコー法は小児右室圧負荷例の右室圧を過大評価した.