The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

一般心臓病学

デジタルオーラル(II)02(P02)
一般心臓病学2

指定討論者:岸 勘太(大阪医科大学 小児科)

[P02-5] 心臓造影CTを用いた主要体肺動脈側副血行のUnifocalization、2心室修復を行った患児における末梢肺動脈血管容積の検討

梶山 葉1, 竹下 直樹1, 遠藤 康裕1, 井上 聡1, 森下 祐馬1, 浅田 大1, 河井 容子1, 中川 由美1, 池田 和幸1, 糸井 利幸1, 山岸 正明2 (1.京都府立医科大学 小児科, 2.京都府立医科大学 小児心臓血管外科)

Keywords:主要体肺側副血行, 血管容積, 3DCT

背景:主要体肺動脈側副血行(MAPCA)合併の先天性心疾患で、統合化手術(UF)、右室流出路形成術(RVOTR)を経て2心室修復(BVR)を行った患者において、術後の肺動脈評価としてカテーテル検査から算出する報告が多く、正確な容積評価に至らない。目的:心臓造影CT画像(CTA) からBVRに至ったMAPCAの術後血管容積を求め、その有用性を検討する。対象:BVRに至ったMAPCAを有する先天性心疾患で、術後CTAと、その1年以内に心臓カテーテル検査が施行されている症例(MAPCA群)11例(男5、年齢2-25歳、中央値10歳、術後1か月-16年、中央値8年)。対照群として左右シャントや右心系疾患を持たない心疾患患者で同様にCTA、カテーテル検査を行った症例14例(男10、年齢0-23歳 中央値12.5歳)。方法:CTAはCanon Aquilion Oneを用い心電図同期下に撮像。画像処理は肺動脈のwindow levelを調整し血管内腔のみを描出。左右肺動脈の第一分岐部より末梢肺動脈容積(PAV)を抽出するよう中枢側をトリミングした。体表面積当たりのPAVにおいて対照群との比較を行いt検定を用いて評価した。P<0.05を統計学的有意とした。結果:MAPCA群の肺動脈・大動脈の収縮期圧比(sys PaP/sys Ao P)は0.44+-0.23で多くの症例で良好な肺動脈圧の低下を認めた。体表面積あたりのPAVは対照群35.0+-8.1ml, MAPCA群36.8+-7.4mlで両群間で差は認めなかった。考察:BVR後のMAPCAにおける血管容積は対照群と差はなく、術後長期経過の症例を含んでおり、対照群同様に成長すると示唆される。しかし一部にsys Pap/sys AoP>0.51と高値の症例も含まれており、より末梢の血管床あるいはコンプライアンスの問題が示唆される点で、PAV評価は有用であると考える。