[P04-4] 当院における大動脈肺動脈窓9例の臨床像
Keywords:大動脈肺動脈窓, 大動脈肺動脈中隔欠損, 先天性心疾患
【背景】大動脈肺動脈窓(APW)は,上行大動脈‐主肺動脈間に交通を持ち,かつ2つの半月弁は完全に分離している疾患と定義され,先天性心疾患の0.1~0.2%を占める。半数以上に他の心疾患を併存し,しばしば胎児期・新生児期に診断が困難とされるが,APW存在下では肺血管病変の進行が早く,適格な診断を以て外科治療に繋げることが重要である。【目的】当院におけるAPWの臨床像を明らかにし,診断の一助とする。
【対象と方法】2003年4月~2019年12月に当院小児科に入院しAPWと診断された9症例を,診療録から後方視的に検討した。
【結果】診断月齢は1.9(±2.5)か月。APWと胎児診断された症例は0/9例で,1例は胎児エコーでの大動脈拡大所見を生後に精査し診断された。生後の診断契機は,心雑音が6例, 心不全症状が4例,チアノーゼが3例(重複あり)であった。合併心奇形はIAA(A型)が3例,TOFが1例,無脾症候群を伴う複雑心奇形が1例,右肺動脈大動脈起始が1例,心奇形を認めない症例が3例であった。APWの位置は,森分類1:位欠損型が4例,2:遠位欠損型が4例,3:全欠損型が1例であった。手術月齢は2.9(±4.8)か月,術式はone patch法が7例,two patch法が2例で全例人工心肺を使用し修復されていた。平均11年間のフォロー期間においてAPWの再手術例はなく,合併心奇形に対し2例で追加手術が施行されていた。術後PS, AS, 冠動脈狭窄, PHのいずれも認めていない。
【結論】当院におけるAPW症例は,いずれも生後に診断されており,診断後は早期に手術治療され良好な転帰であった。
【対象と方法】2003年4月~2019年12月に当院小児科に入院しAPWと診断された9症例を,診療録から後方視的に検討した。
【結果】診断月齢は1.9(±2.5)か月。APWと胎児診断された症例は0/9例で,1例は胎児エコーでの大動脈拡大所見を生後に精査し診断された。生後の診断契機は,心雑音が6例, 心不全症状が4例,チアノーゼが3例(重複あり)であった。合併心奇形はIAA(A型)が3例,TOFが1例,無脾症候群を伴う複雑心奇形が1例,右肺動脈大動脈起始が1例,心奇形を認めない症例が3例であった。APWの位置は,森分類1:位欠損型が4例,2:遠位欠損型が4例,3:全欠損型が1例であった。手術月齢は2.9(±4.8)か月,術式はone patch法が7例,two patch法が2例で全例人工心肺を使用し修復されていた。平均11年間のフォロー期間においてAPWの再手術例はなく,合併心奇形に対し2例で追加手術が施行されていた。術後PS, AS, 冠動脈狭窄, PHのいずれも認めていない。
【結論】当院におけるAPW症例は,いずれも生後に診断されており,診断後は早期に手術治療され良好な転帰であった。