[P08-3] Kosaki Overgrowth Syndromeの新規心臓表現型の発見
キーワード:過成長症候群, 冠動脈瘤, 冠動脈閉塞
Kosaki Overgrowth syndrome (MIM 616592)は、過成長、皮膚の脆弱性、精神運動発達遅滞を主症状とする症候群であり、PDGFRB遺伝子のgain-of-function変異により発症する。高身長をきたし、Marfan症候群に類似した表現型を呈することから、大動脈弁輪拡張症や大動脈弁・僧帽弁閉鎖不全の発症に対するフォローアップが行われることが推奨されるが、詳細な心臓表現型は不明な点が多く残されている。今回我々は、心臓合併症のスクリーニングで冠動脈形態異常を認めた症例を経験し、新規の心臓表現型を同定した。1例に左冠動脈拡張を、1例に両側冠動脈拡張、壁不整と左前下行枝の閉塞を認めた。2例ともに経過中の明らかな心原性の症状を示さず、心電図変化や血液検査上の異常も認められなかった。本症候群における心臓表現型を、その病態メカニズムを考察し報告する。