The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

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デジタルオーラル(II)14(P14)
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指定討論者:早渕 康信(徳島大学病院 小児科)

[P14-3] 小児におけるdynamic CT perfusionの有用性

千阪 俊行, 宮田 豊寿, 森谷 友造, 赤澤 祐介, 太田 雅明, 高田 秀実, 檜垣 高史 (愛媛大学 大学院医学系研究科 分子機能領域 小児科学講座)

Keywords:dynamic CT-perfusion, 虚血, 先天性心疾患

CT 灌流画像(CT-perfusion 以後CTP)は造影剤を急速静脈注射しながら連続的にCT撮像を行い、CT断面上での吸収値の変化を解析することによって心臓の血流を定量化し虚血を評価する方法である。 我々は、14症例、15件(平均12歳、9-16歳)の負荷ダイナミックCTPを施行した。CTP検査は320-MDCT(Aqulion one)を用いて行った。施行した症例は冠動脈起始異常症が9件、冠動静脈瘻が2件、先天性心疾患(ASDデバイス閉鎖術後,DORV術後、TGA術後)症例 3件、川崎病後1件であった。全例同時にCTAも施行された。このうち、11件に心筋シンチグラフィー(RI)検査が施行され、心臓MRI検査3件、心臓カテーテル検査5件も同時期に施行されていた。これらのCTPから得られた所見と臨床症状、RI検査、心臓MRI検査、カテーテル検査所見を比較したところ、1件のみmotion artifactと考えられる所見の相違があったものの臨床症状、他の検査から得られた所見、CTA、カテーテル検査から得られた冠動脈形態から想定される虚血部位とほぼ相違なかった。また、スクリーニングで見つかった無症状症例、TGA術後症例においては負荷による虚血を示唆する所見は認めなかった。 CTP-CTAは構造異常と虚血評価が同時に行える検査方法で他の検査に比べて短時間で施行可能で解像度も良好である。息止め、被爆等の考慮すべき点もあるものの小児・先天性心疾患の症例においても有用な検査方法となり得る。