The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

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デジタルオーラル(II)16(P16)
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指定討論者:瀧聞 浄宏(長野県立こども病院 循環器小児科)

[P16-1] 心臓MRIによるmultiple ASDの評価

大山 伸雄, 山口 英貴, 長岡 孝太, 清水 武, 樽井 俊, 柿本 久子, 籏 義仁, 藤井 隆成, 宮原 義典, 石野 幸三, 富田 英 (昭和大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター)

Keywords:Cardiac Magnetic Resonance, Multiple ASD, Phase Contrast MRI

【背景】2D心臓超音波ではしばしばmultiple ASD(m-ASD)の評価が困難な場合がある.心臓MRI(CMR)の位相コントラスト法(PC法)は血流を捉えることで欠損孔のサイズや形態を描出することが可能である.CMRによるm-ASDの形態評価についての報告はない.CMRによる評価が経皮的心房中隔欠損症閉鎖術に有用であったm-ASDについて報告する.【目的】PC法でm-ASDの形態評価をしCMRの有用性を評価すること.【方法】PC法のen face viewより欠損孔の形態評価を行い,デバイス留置をシミュレーションし,閉鎖術時の経食道心臓超音波(TEE)と比較した.【結果】59歳女性,ASDを指摘され経皮的心房中隔欠損症閉鎖術の適応を判断するためCMRの方針となった.ASDは大小二つの欠損孔があり,それぞれの欠損孔の大きさは主孔23 x 18mm,副孔5 x 4mmであった.各ASD間は7mmの距離があった.Balanced SSFP cineの評価ではaortic rimは乏しくbald aortaと判断した.欠損孔の円周より推測した主孔のballoon size径(BSD)は22mmであった.これらの結果より,主孔に24mm以上のデバイスを留置する必要があると判断した.ASOはwaistとLA discの差が7mm,FFIIは7.5mmで,主孔と副孔が7mm離れているため,一つのデバイスでは副孔までカバーできないと推測,大小二つのデバイスを用いて閉鎖可能と判断した.閉鎖時のTEEの評価は主孔25 x 18mm,副孔4 x 4mm,各ASD間は7mm,主孔のBSDは25mmであった.副孔にFFII 6mmを留置,それを挟み込むように主孔にFFII 30mmを留置した.【考察】PC法を用いたASDの形態評価は有用であり,これまでも報告してきた(2019小児循環器学会,2020JPIC).m-ASDについても評価可能であった.円周から求めたBSDは実際のBSDより小さく計測された.実際のBSDは副孔を潰して広がり大きくなると考えられた.【結語】m-ASDにおいてCMRは形態評価に有用であるが円周から求めるBSDはunder estimateになる可能性があり注意が必要である.