The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

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デジタルオーラル(II)16(P16)
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指定討論者:瀧聞 浄宏(長野県立こども病院 循環器小児科)

[P16-5] ファロー四徴症術後の肺動脈弁逆流率は左室短軸像拡張期短径長径比から推定可能である

岩本 洋一1, 石戸 博隆1, 増谷 聡1, 先崎 秀明2 (1.埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター小児循環器部門, 2.北里大学病院小児科)

Keywords:ファロー四徴症, 肺動脈弁逆流率, MRI

【背景】ファロー四徴症(ToF)術後では、肺動脈弁逆流(PR)による右室拡大が問題となる。高度な右室拡大は、心室中隔を左室へ圧排し、左室ジオメトリに影響を及ぼす。ToF術後遠隔期PRは進行性で、適時の肺動脈弁置換術が必要だが、その適応決定に必要なMRIは頻回評価には適さない。肺動脈弁逆流率(PRRF)が、左室ジオメトリによって評価可能であるという仮説を検証する。
【方法】対象は、ToF術後32名(年齢19.3±12.0歳)。MRIにて左室短軸像を撮影し、断面積が最も大きくなるスライスにおける左室拡張期の短径(S)と長径(L)の比(S/L比)を計測した。同時にMRIからPRRF(%)と右室及び左室拡張末期容積(RVEDVi・LVEDVi)を求めた。S, L, S/L比と、PRRF, RVEDVi, LVEDViの関連を検討した。高度PRはPRRF>=30%とし、その検出能はROC曲線解析を用いて検討した。
【結果】PRRFは24.9±14.3%、RVEDViは142.7±38.5ml/m2、LVEDViは86.3±13.5ml/m2、Sは41.5±6.0mm、Lは58.9±7.3mm、S/L比は0.71±0.08であった。SとPRRFに有意な負の相関を認めた(p=0.035, r=0.37)。既報と同様、RVEDViとPRRFは有意に正相関(p<0.001, r=0.56)した。左室圧排を反映するS/L比は、PRRFと有意に正相関した(p=0.014, r=0.43)。高度PR(PRRF>=30%)の検出は、S/L比0.69以下で感度0.70、特異度0.64であった。
【結語】S/L比はPRRFと関連し、S/L比はPRRFの推定に有用な可能性がある。S/L比は心エコーにより計測可能であり、次に心臓超音波検査によるS/L比とMRIのPRRFの関係を検討したい。