The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

心臓血管機能

デジタルオーラル(II)20(P20)
心臓血管機能

指定討論者:犬塚 亮(東京大学 小児科)

[P20-3] 極低出生体重である不当軽量児における左冠動脈血流量の検討

横山 岳彦, 犬飼 幸子 (名古屋第二赤十字病院 小児科)

Keywords:small for date, left anterior decsending coronary, very low birth weight infant

【始めに】small for date infant(SFD)は胎内環境により胎内での左室負荷のため出生後は、左心機能が良好であることを我々は報告してきた。SFDでの左心機能の特徴は冠動脈血流にも影響を与えているのではないかと考えられる。そこで今回我々は、極低出生体重児(VLBWI)の左冠動脈血流量を測定し、SFDとAppropriate for date infant (AFD)の間で比較検討したので報告する。【対象】2012年10月から当院NICUに入院した極低出生体重児でAFD(A群 11例)とSFD(S群 8例)とを比較検討した。【方法】Philips 社のIE33により左室三次元画像を収集し、off lineにてQLABOを使用しbiplane法で左室心筋重量(LVmass)を計算した。M mode法により左室収縮末期壁応力(WS)を計算。また、左冠動脈下行枝(LAD)の血流量をパルスドプラー法により記録した。拡張期の冠動脈血流の時間積分値とLADの断面積から一心拍あたりの血流量を計算し、4心拍平均したものを左冠動脈下行枝血流量(LADf)とした。LADfを心拍数で積算し(LADF)、LVmassで除した左室心筋重量あたりの左冠動脈血流量(LADF/LVmass)を計算した。以上の測定を生後12時間、24時間、48時間、96時間の4回経時的に記録した。【結果】LADFおよびLADF/LVmassはA群とS群の群間では観測時間中有意差を認めなかった。生後12時間でのLADF/LVmassとWSと相関関係がA群では認められたがS群では認められなかった。【結語】SFD児は胎内での左室負荷から出生後に開放され収縮能は良好であった。SFD児とAFD児の間に心筋重量あたりの冠動脈血流量の差は認められなかった。AFD児は生後12時間において冠動脈血流量とWSの間に正相関関係を認め、左室の負荷に適応するように冠動脈血流が流れていたが、SFD児には有意な相関関係は認められずSFD児に冠血流の後負荷に対して余裕があると思われた。