The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

カテーテル治療

デジタルオーラル(II)22(P22)
カテーテル治療2

指定討論者:須田 憲治(久留米大学医学部 小児科学講座)

[P22-1] 症候性乳児ファロー四徴症における治療戦略 ~RVOTステント留置術の位置づけ~

佐藤 純1, 吉井 公浩1, 吉田 修一朗1, 武田 紹1, 西川 浩1, 大橋 直樹1, 小坂井 基史2, 櫻井 寛久2, 野中 利通2, 櫻井 一2 (1.中京病院 中京こどもハートセンター 小児循環器科, 2.中京病院 中京こどもハートセンター 心臓血管外科)

Keywords:RVOTステント留置術, ファロー四徴症, 乳児期早期

【背景】乳児期早期に低酸素発作等で侵襲的介入を要するファロー四徴症・肺動脈狭窄(TOF/PS)において従来はBTシャント術(BTS)が一般的であったが、当院では近年一期的心内修復術(ICR)、RVOTステント留置術(Rs)も症例ごとに検討している。【目的】当院の手術成績をもとにRsの適応を考察する。【対象】2008年1月~2020年1月に6か月未満で介入したTOF/PS、DORV/PSの34例を後方視的に検討。PA、MAPCA、AVSD合併例は除外。【結果】初回治療介入は2014年1月までは全例BTS(B群)で14例に対し、2015年以降はB群8例、ICR(I群)9例、Rs(R群)3例。介入時日齢はB群9~151日(80※中央値、以下略)、I群88~175日(109)、R群12-57日(35)、介入時体重はB群1.7~7.7kg(4.6)、I群5.2~7.3kg(6.2)、R群3.2-4.0kg(3.4)。transannular patchによるICR(TAP)はB群9例(40%)、I群2例(22%)、R群1例(33%)で、初回P弁Z score(PvZ)<-3.5は全例でTAPであった。ICR後の右室/体血圧比はB群0.36~0.61(0.56)、I群0.38~0.74(0.56)、R群0.34~0.6。ICR前PAindex(PAI)はB群159~463(255)、I群101~722(255)で、R群のうち待機可能であった2例は592、626であった。I群でPAI<200の2例はICR後にPAへのカテーテルインターベンションを要した。合併症はB群でシャント閉塞2例、壊死性腸炎1例、創部感染1例、高肺血流性ショック1例、R群でP弁下に留置した2例中1例は重度TRにより早期ICRを要した。観察期間6~138か月(49.5)で死亡例、神経学的後遺症例はなかった。【考察】B群は合併症を22%で認めており必ずしも安全とは言い切れない一方、I群は体重>5kg、PAI>200であれば良好な結果であった。Rsは良好なPA発育が得られたがP弁を含めて留置する方が安全と思われた。【結語】当院では症候性乳児TOF/PSにおいて初回PvZ<-3.5でP弁温存困難かつ、体重<5kg・PAI<200で一期ICRに懸念が残る場合はRsを積極的に考慮する方針である。