[P23-1] 体肺動脈シャント血栓に対する経皮的シャント形成術中の大量喀血の一例
Keywords:喀血, 経皮的シャント形成術, コイル塞栓
【はじめに】閉塞した体肺動脈シャント再建術の際に予期せずして鎖骨下動脈―気管支瘻を合併して生命危機的喀血を繰り返した症例を経験したので報告する.
【症例】2歳5か月女児. 重症Ebstein奇形の為, 生後11日にStarnes手術, セントラルシャント(3.5mm)手術実施. 2歳時に左Blalock-Taussigシャント(4mm)実施. 2歳3か月に左BTシャント狭窄のため経皮的シャント形成術を実施した. SpO2 85%だった. 2歳5か月時, SpO2 70%へ低下し, 緊急造影CTで 左BTシャントの血栓閉塞と診断. 緊急で経皮的シャント形成術を行った. 大腿動脈よりアプローチし4FrJRカテーテルを親カテとしてマイクロカテーテルにより閉塞シャントを穿通し, 同部位でウロキナーゼ3万単位を局注したところ大量喀血した. 直ちに気管内挿管・アドレナリン気管内投与で対応し喀血は治まった. 引き続きシャントに対してバルーン形成術を行った. シャント血流の回復を確認して終了した. しかし術後8日目から大量喀血を繰り返し, 造影CTによっても出血部位は不明だった. 肺葉切除も検討したが, 5回目の出血後に出血コントロール困難となったため, 緊急でカテーテルによる止血術を行った. 左気管支ブロック換気下と左鎖骨下動脈バルーン閉塞により出血をコントロールしながら出血部位を造影で確認した. 左鎖骨下動脈と左BTシャント吻合部から左上葉気管支との間に瘻孔形成(4×13mm)を認めた. 4FrJRを親カテとしてマイクロカテーテル(Prograde)を瘻孔へ挿入し, 電気式離脱コイル(TargetXL 6mm,4mm 計6個)により塞栓した. 左BTシャント血流は温存することができ, SpO2 85%であった. 治療後喀血はなく退院した.
【結語】CT画像検査の進歩によっても心臓カテーテル法による局所的な造影から診断に至ることもあり病態がわからないときは積極的に造影することも必要である.
【症例】2歳5か月女児. 重症Ebstein奇形の為, 生後11日にStarnes手術, セントラルシャント(3.5mm)手術実施. 2歳時に左Blalock-Taussigシャント(4mm)実施. 2歳3か月に左BTシャント狭窄のため経皮的シャント形成術を実施した. SpO2 85%だった. 2歳5か月時, SpO2 70%へ低下し, 緊急造影CTで 左BTシャントの血栓閉塞と診断. 緊急で経皮的シャント形成術を行った. 大腿動脈よりアプローチし4FrJRカテーテルを親カテとしてマイクロカテーテルにより閉塞シャントを穿通し, 同部位でウロキナーゼ3万単位を局注したところ大量喀血した. 直ちに気管内挿管・アドレナリン気管内投与で対応し喀血は治まった. 引き続きシャントに対してバルーン形成術を行った. シャント血流の回復を確認して終了した. しかし術後8日目から大量喀血を繰り返し, 造影CTによっても出血部位は不明だった. 肺葉切除も検討したが, 5回目の出血後に出血コントロール困難となったため, 緊急でカテーテルによる止血術を行った. 左気管支ブロック換気下と左鎖骨下動脈バルーン閉塞により出血をコントロールしながら出血部位を造影で確認した. 左鎖骨下動脈と左BTシャント吻合部から左上葉気管支との間に瘻孔形成(4×13mm)を認めた. 4FrJRを親カテとしてマイクロカテーテル(Prograde)を瘻孔へ挿入し, 電気式離脱コイル(TargetXL 6mm,4mm 計6個)により塞栓した. 左BTシャント血流は温存することができ, SpO2 85%であった. 治療後喀血はなく退院した.
【結語】CT画像検査の進歩によっても心臓カテーテル法による局所的な造影から診断に至ることもあり病態がわからないときは積極的に造影することも必要である.