デジタルオーラル（II）25（P25）
カテーテル治療5

[P25-3] 成人先天性心疾患に対する当院のカテーテル治療の現状

^○豊田 直樹¹, 稲熊 洸太郎¹, 石原 温子¹, 坂崎 尚徳¹, 森 おと姫², 前田 登史², 吉澤 康祐², 長門 久雄² (1.兵庫県立尼崎総合医療センター 小児循環器内科, 2.兵庫県立尼崎総合医療センター 心臓血管外科)

Keywords:成人先天性心疾患, カテーテル治療, 遺残病変

【背景】先天性心疾患の生命予後は改善している一方で、成人期に様々な遺残病変や血行動態異常に対してカテーテル治療を行うことがある。【目的】当院での成人先天性心疾患（ACHD）に対するカテーテル治療の現状を明らかにする。【対象と方法】2015年1月から2019年12月までの過去5年間に当施設でカテーテル治療を施行したACHD症例のうち、ASD・PDA単独の経皮的閉鎖術、vPS単独の経皮的拡張術を除外した15例。カテーテル治療の適応、内容、予後を診療録から後方視的に検討した。【結果】心疾患はFontan術後6例（単心室3例、TA1例、その他2例）、二心室修復術後7例（TOF3例、ASD2例、TGA1例、IAA complex1例、congenital MS1例）、VSD/ES1例に対して、延べ26回のカテーテル治療を実施。治療時年齢は中央値34歳（20-50）。治療理由は狭窄病変5例、左右短絡4例、喀血3例、心不全1例、門脈性肺高血圧1例、チアノーゼ1例。治療内容はPTA/BVP8回、コイル・プラグによる血管塞栓術13回、ステント留置4回、プラグによるフェネストレーション閉鎖1回。治療後観察期間は3.3年（0.3-4.8）で、喀血の1例が4回の塞栓術を繰り返し、後に肺炎・敗血症で死亡した。【考察】当院では単心室症例での側副血管の塞栓術や二心室症例の肺動脈狭窄へのPTAが多かった。狭窄血管へのPTAの効果は限定的でステント留置が有効である。今後の中長期的予後の検討が必要である。