The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

電気生理学・不整脈

デジタルオーラル(II)29(P29)
電気生理学・不整脈4

指定討論者:堀米 仁志(筑波大学医学医療系 小児科)

[P29-3] 成長に伴うペースメーカリード伸展及びリード不全に対してリード抜去を施行した6例

工藤 恵道1, 豊原 啓子1, 竹内 大二1, 稲井 慶1, 富松 宏文1, 杉山 央1, 片岡 翔平2, 矢崎 恭一郎2, 柳下 大悟2, 江島 浩一郎2, 庄田 守男2 (1.東京女子医科大学 循環器小児科, 2.東京女子医科大学 循環器内科)

Keywords:経静脈ペースメーカ植込み, 成長, ペースメーカーリード抜去

背景:成長過程にある小児への経静脈ペースメーカ植込み(PMI、Pacemaker implantation)は、成長に伴いリードが伸展するため非機能リードでなくても、将来のリード離脱を考慮して事前にリード抜去(LE、lead extraction)と新リード留置を行う必要がある。しかし本邦で小児リード抜去の経験は未だ少ない。方法と結果:15歳以下でPMIを施行後、成長に伴うリード伸展に対してLEを施行した症例の成績を後方視的に検討した。対象は9リード/6例(心房リード3本、心室リード6本)。PMI適応は全て房室ブロックでPMI時年齢は各々4、4、6、8、10、13歳。LE適応は、全例が非感染の成長に伴うリード伸展およびリード不全であり、リードは全て機能リードかつ静脈閉塞は認めず。リード年齢は3.3±1.8年と比較的短期間であったが、身長は22.3±11.6cm伸びていた。LEにより全リードの完全抜去に成功した。5リードはCookメカニカルシースで抜去可能であったが、2リードは静脈との高度癒着を認めlaserシースを使用した。抜去の際に鎖骨下からの抜去困難で下肢からスネアで引き抜くFemoral approachは1リードで施行した。LEと同時に5例で新リード留置(計7本)も施行し、全例で重大な合併症は認めなかった。結論:成長過程の小児へのPMIでは、計画的なLEとリード入れ替えを考慮する必要がある。リード年数が低くても癒着が強い傾向はあるが、LEは安全に施行可能である。