[P30-4] 小児の心室期外収縮の管理の現状
Keywords:心室期外収縮, 診断契機, 学校心臓検診
【背景と目的】小児の心室期外収縮(PVC)はまれではない。その管理の現状を検証した。【対象と方法】2010年1月から2019年12月までの10年間で、当院を受診したPVC238例。不整脈を主訴に受診・通院したものとし、先天性心疾患や心筋症に合併したものは除外した。【結果】性別は男143例、女95例。受診時年齢は0~16歳(中央値9歳)、小学生以上が205例(86%)であった。受診時年齢は学校心臓検診年齢に相当する6~7歳(小1)、12~13歳(中2)にピークがあった。診断契機は学校心臓検診が180例で最も多く、その他の健診が18例、他疾患で偶然発見されたものが26例などであった。同時に発見された疾患として、洞不全症候群、大動脈弁閉鎖不全が1例ずつあった。12誘導心電図でPVCが記録できた186例のうち、PVC波形は上方軸58例、下方軸125例、右脚ブロック型87例、左脚ブロック型89例であった。ホルターは118例、トレッドミルは143例で施行され、183例がホルターかトレッドミルのいずれかを施行されていた。連発は29例で認められ、このうち3連発以上は11例であった。治療は4例で行われ、内服3例、アブレーション2例(1例は不成功)であった。経過観察期間は0~8年(中央値0年)で、1年以内に受診不要と判断されたものが128例であった。受診状況は、指示により終了したものが119例であったが、自己中断したものが52例あった。治療目的の転院が2例で、経過観察目的で内科へ移行したものは3例のみであった。【まとめ】小児の心室期外収縮は学校心臓検診で発見されることが多い。受診不要と判断されるものも多く、予後は悪くない。