[P33-2] 当院における先天性心疾患Palliation術後のVA-ECMOの現状と問題点
Keywords:ECMO, 心臓手術後, 術後管理
【背景】ECMOの普及により、救命可能な症例は増加している。一方でECMOの適応や先天性心疾患Palliation術後における脱送血部の選択、BT shuntやPDAの処理について定まったものはない。先天性心疾患Palliation術後に対するECMOについて当院における最近の現状、問題点を抽出する。
【方法】新病院移転後2017年1月~2019年12月の3年間における先天性心疾患Palliation術後にVA-ECMOを使用した症例を後方視的に検討した。
【結果】Norwood手術9例含む総手術件数671件のうち、Palliation術後にVA-ECMOを要した症例は5例であった。先行手術はBT shunt 2例、bilateral PAB 2例、TVP 1例で、BT shunt例以外の3例は動脈管依存性の血行動態であった。脱血部位は全例で右房、送血部位は上行大動脈4例、肺動脈1例であった。BT shunt例はECMO導入時にclipで完全閉鎖、bilateral PAB例は1例でPDA ligation、もう1例はPABを完全閉鎖し、ECMO flowを得た。bilateral PABの2例はECMO後も全身状態の改善がなく、それぞれ38時間、73時間でECMO離脱し、死亡退院となった。BT shuntの2例はそれぞれ77時間、95時間で離脱を図り、前者はBT shunt血栓閉塞を認め、離脱時に手術室でBT shunt付け替えを要した。
【考察】Palliation術後におけるVA-ECMOはBT shunt、PDAの処理、ventの必要性が問題となる。文献から一定の見解はなく、施設毎の判断となっていることが多い。当院ではBT shunt症例に対して、shuntをclip閉鎖してECMOを導入し、救命し得ている。しかし離脱時にshunt血管への介入が問題となり、適応については議論が残る。
【結論】Palliation術後におけるECMO導入はBT shuntやPDAの処理が議論になる。離脱時にshunt付け替えやPDA stentなど介入を要する可能性を考慮した上で、ECMO適応を検討する必要がある。
【方法】新病院移転後2017年1月~2019年12月の3年間における先天性心疾患Palliation術後にVA-ECMOを使用した症例を後方視的に検討した。
【結果】Norwood手術9例含む総手術件数671件のうち、Palliation術後にVA-ECMOを要した症例は5例であった。先行手術はBT shunt 2例、bilateral PAB 2例、TVP 1例で、BT shunt例以外の3例は動脈管依存性の血行動態であった。脱血部位は全例で右房、送血部位は上行大動脈4例、肺動脈1例であった。BT shunt例はECMO導入時にclipで完全閉鎖、bilateral PAB例は1例でPDA ligation、もう1例はPABを完全閉鎖し、ECMO flowを得た。bilateral PABの2例はECMO後も全身状態の改善がなく、それぞれ38時間、73時間でECMO離脱し、死亡退院となった。BT shuntの2例はそれぞれ77時間、95時間で離脱を図り、前者はBT shunt血栓閉塞を認め、離脱時に手術室でBT shunt付け替えを要した。
【考察】Palliation術後におけるVA-ECMOはBT shunt、PDAの処理、ventの必要性が問題となる。文献から一定の見解はなく、施設毎の判断となっていることが多い。当院ではBT shunt症例に対して、shuntをclip閉鎖してECMOを導入し、救命し得ている。しかし離脱時にshunt血管への介入が問題となり、適応については議論が残る。
【結論】Palliation術後におけるECMO導入はBT shuntやPDAの処理が議論になる。離脱時にshunt付け替えやPDA stentなど介入を要する可能性を考慮した上で、ECMO適応を検討する必要がある。