[P38-4] 肥大型心筋症を合併した先天性サイトメガロウイルス感染症の1例
キーワード:先天性CMV感染症, 肥大型心筋症, 新生児
【背景】先天性サイトメガロウイルス感染症(以下、先天性CMV感染症)は、もっとも頻度の高い先天性ウイルス感染症であり、黄疸、小頭症、点状出血、肝脾腫、脳室周囲石灰化、感音性難聴などを呈するが、先天性心疾患の合併の報告はまれである。
【症例】在胎28週に胎児心拡大を指摘され、MRIで肝脾腫を指摘されたが胎児水腫は認めなかった。在胎35週4日に遅発一過性除脈を認め緊急帝王切開で出生した。体重 2040g(-1.3SD)、身長 42.5cm(-1.3SD)、頭囲 30.7cm(-0.7SD)であり、Apスコアは7点(1分)8点(5分)であった。呼吸・循環状態は安定していたが、頭部と体幹を中心に紫斑を認め、胸部聴診上、胸骨左縁第4肋間にLevine 3/6の収縮期雑音を聴取した。肝臓を2cm、脾臓を5cm触知した。左副耳を認めるほかは、明らかな外表奇形や特徴的顔貌は認めなかった。また著明な血小板減少と肝逸脱酵素の軽度上昇を認めた。以上の所見から先天性CMV感染を疑い、CMV-IgM陽性、尿中CMV核酸陽性から確定診断にいたった。
入院時の心エコーにて非対称性左室心筋肥厚(IVSd 8.1mm)を認めたが、左室流出路狭窄やその他の構造異常は認めなかった。経過中に心不全徴候を認めずBNPも正常化したため日齢37日に退院としたが、退院前のエコーでも心筋肥厚は残存しており、引き続き外来で経過を観察している。
【考察】先天性CMV感染症と肥大型心筋症の合併の報告はこれまで1例しかなく(Demir F, et al. 2016)、その発症メカニズムも不明である。先天性CMV感染症の頻度が比較的高いことや、無症候性の患者も多いことを考えると、新生児期の心筋肥大の鑑別疾患の一つとして重要な所見であると考えられた。
【症例】在胎28週に胎児心拡大を指摘され、MRIで肝脾腫を指摘されたが胎児水腫は認めなかった。在胎35週4日に遅発一過性除脈を認め緊急帝王切開で出生した。体重 2040g(-1.3SD)、身長 42.5cm(-1.3SD)、頭囲 30.7cm(-0.7SD)であり、Apスコアは7点(1分)8点(5分)であった。呼吸・循環状態は安定していたが、頭部と体幹を中心に紫斑を認め、胸部聴診上、胸骨左縁第4肋間にLevine 3/6の収縮期雑音を聴取した。肝臓を2cm、脾臓を5cm触知した。左副耳を認めるほかは、明らかな外表奇形や特徴的顔貌は認めなかった。また著明な血小板減少と肝逸脱酵素の軽度上昇を認めた。以上の所見から先天性CMV感染を疑い、CMV-IgM陽性、尿中CMV核酸陽性から確定診断にいたった。
入院時の心エコーにて非対称性左室心筋肥厚(IVSd 8.1mm)を認めたが、左室流出路狭窄やその他の構造異常は認めなかった。経過中に心不全徴候を認めずBNPも正常化したため日齢37日に退院としたが、退院前のエコーでも心筋肥厚は残存しており、引き続き外来で経過を観察している。
【考察】先天性CMV感染症と肥大型心筋症の合併の報告はこれまで1例しかなく(Demir F, et al. 2016)、その発症メカニズムも不明である。先天性CMV感染症の頻度が比較的高いことや、無症候性の患者も多いことを考えると、新生児期の心筋肥大の鑑別疾患の一つとして重要な所見であると考えられた。