[P43-3] 成人先天性心疾患患者の呼吸機能
Keywords:呼吸機能, 成人先天性心疾患, 予後
【はじめに】慢性心不全患者で呼吸機能障害が予後に関与することが報告されているが、成人先天性心疾患(ACHD)での呼吸機能に関する報告は少ない。
【目的】ACHDの呼吸機能を明らかにすること
【方法】対象は2013年以降に当院で肺機能検査を実施した15歳以上の先天性心疾患患者。%肺活量(%VC)、一秒率(FEV1.0%)と心臓手術の有無、手術内容(二心室修復〔ICR〕かFontan手術)、手術回数、生命予後との関係を検討した。
【結果】対象は105名(男性55名)で、手術例は59名(ICR42例、Fontan17例)だった。平均年齢は36.5±17.6歳(未手術例45.3±18.0歳、手術例29.6±14.1歳)。手術回数はICR1.8±0.9回、Fontan2.9±1.1回でFontanが有意に多かった(p<0.01)。対象全体での%VCは92.2±20.3%、FEV1.0%は84.9±20.0%だった。手術回数と%VCは負の相関を示した(p<0.001,r=-0.52)が、FEV1.0%との相関はなかった。未手術例、手術例の%VCは102.7±19.6%、84.5±17.0%で、手術例で低値(p<0.05)だったが、FEV1.0%は差がなかった(81.9±9.6% vs.84.8±8.6%)。手術内容ではICR、Fontanの%VCは、86.3±15.7% vs. 78.2±19.1% 、FEV1.0%は84.6±9.5% vs. 85.2±6.4%でFEV1.0%、%VCとも有意差がなかったが、%VC<70%の症例はICR7.1%、Fontan35.3%で、Fontanで有意に高率だった。対象の中で死亡例は6名(未手術例2名、手術例4名)あり、生存例と比較し%VCは有意に低値(75.9±16.3%vs.93.5±20.1%、p<0.001)、FEV1.0%は73.5±12.2%で正常域にあるものの、生存例(84.1±8.6%)より低値だった(p<0.001)。
【結論】ACHD患者では手術回数が増加する程肺活量が低下し、手術回数が多いFontan手術例では高度に低値を示す症例が多い。またACHD患者においても呼吸機能低下が生命予後と関連する可能性がある。
【目的】ACHDの呼吸機能を明らかにすること
【方法】対象は2013年以降に当院で肺機能検査を実施した15歳以上の先天性心疾患患者。%肺活量(%VC)、一秒率(FEV1.0%)と心臓手術の有無、手術内容(二心室修復〔ICR〕かFontan手術)、手術回数、生命予後との関係を検討した。
【結果】対象は105名(男性55名)で、手術例は59名(ICR42例、Fontan17例)だった。平均年齢は36.5±17.6歳(未手術例45.3±18.0歳、手術例29.6±14.1歳)。手術回数はICR1.8±0.9回、Fontan2.9±1.1回でFontanが有意に多かった(p<0.01)。対象全体での%VCは92.2±20.3%、FEV1.0%は84.9±20.0%だった。手術回数と%VCは負の相関を示した(p<0.001,r=-0.52)が、FEV1.0%との相関はなかった。未手術例、手術例の%VCは102.7±19.6%、84.5±17.0%で、手術例で低値(p<0.05)だったが、FEV1.0%は差がなかった(81.9±9.6% vs.84.8±8.6%)。手術内容ではICR、Fontanの%VCは、86.3±15.7% vs. 78.2±19.1% 、FEV1.0%は84.6±9.5% vs. 85.2±6.4%でFEV1.0%、%VCとも有意差がなかったが、%VC<70%の症例はICR7.1%、Fontan35.3%で、Fontanで有意に高率だった。対象の中で死亡例は6名(未手術例2名、手術例4名)あり、生存例と比較し%VCは有意に低値(75.9±16.3%vs.93.5±20.1%、p<0.001)、FEV1.0%は73.5±12.2%で正常域にあるものの、生存例(84.1±8.6%)より低値だった(p<0.001)。
【結論】ACHD患者では手術回数が増加する程肺活量が低下し、手術回数が多いFontan手術例では高度に低値を示す症例が多い。またACHD患者においても呼吸機能低下が生命予後と関連する可能性がある。