[P44-2] オクトレオチドが奏功したフォンタン術後の難治性出血性タンパク漏出性胃腸症の一例
キーワード:フォンタン術後合併症, 消化管出血, オクトレオチド
【背景】フォンタン術後遠隔期の蛋白漏出性胃腸症(PLE)は知られているが消化管出血の合併は稀であり、知見は乏しく治療法も確立していない。
【症例】18歳男性、Criss-Cross Heart/Hypo-RV/VSDに対し、2歳時にBCPS(術後complete AVBとなりPM留置)、3歳時にfenestrated TCPCを施行した(fenestrationは自然閉鎖)。15歳時にPLEを発症しステロイドを導入したが寛解と再燃を繰り返し17歳時に腹痛・黒色便・貧血を認め入院した。消化管出血シンチより十二指腸遠位から回腸に出血を認め、PSL5mg/day内服中であったがPLE増悪あり出血性PLEと診断した。Fenestration作成を支持する圧所見無く(CVP 15mmHg、PCW 12mmHg)、またdyssynchorony無くCRT適応外であった。貧血や低蛋白血症に対して輸血や血液製剤投与を頻回に行い入院が長期化した為、難治性PLEの治療にオクトレオチドが有効であった既報告を基にオクトレオチド皮下注(1日2回、100mg/day)を開始した。投与開始後2日で腹部症状改善がみられ、3週間後に便潜血陰性化、同時にPLEも寛解した。以後血液製剤を要さず、院内で医薬品適応外使用の許可を得てオクトレオチド徐放性製剤の筋注(20mg/回、月1回)へ切り替え退院した。徐放性製剤投与継続し8ヶ月経過したが有害事象を認めず、PLEと消化管出血の再燃はない。
【考察】フォンタン術後難治性出血性PLEに対し、オクトレオチドが著効した症例を経験した。出血性PLEは発症が少なく投与の根拠となる知見は乏しいがPLEが基本病態であると考えれば難治性で他に有効な手段がない場合には試みる価値がある治療と考えられる。
【症例】18歳男性、Criss-Cross Heart/Hypo-RV/VSDに対し、2歳時にBCPS(術後complete AVBとなりPM留置)、3歳時にfenestrated TCPCを施行した(fenestrationは自然閉鎖)。15歳時にPLEを発症しステロイドを導入したが寛解と再燃を繰り返し17歳時に腹痛・黒色便・貧血を認め入院した。消化管出血シンチより十二指腸遠位から回腸に出血を認め、PSL5mg/day内服中であったがPLE増悪あり出血性PLEと診断した。Fenestration作成を支持する圧所見無く(CVP 15mmHg、PCW 12mmHg)、またdyssynchorony無くCRT適応外であった。貧血や低蛋白血症に対して輸血や血液製剤投与を頻回に行い入院が長期化した為、難治性PLEの治療にオクトレオチドが有効であった既報告を基にオクトレオチド皮下注(1日2回、100mg/day)を開始した。投与開始後2日で腹部症状改善がみられ、3週間後に便潜血陰性化、同時にPLEも寛解した。以後血液製剤を要さず、院内で医薬品適応外使用の許可を得てオクトレオチド徐放性製剤の筋注(20mg/回、月1回)へ切り替え退院した。徐放性製剤投与継続し8ヶ月経過したが有害事象を認めず、PLEと消化管出血の再燃はない。
【考察】フォンタン術後難治性出血性PLEに対し、オクトレオチドが著効した症例を経験した。出血性PLEは発症が少なく投与の根拠となる知見は乏しいがPLEが基本病態であると考えれば難治性で他に有効な手段がない場合には試みる価値がある治療と考えられる。