[P45-4] TCPC後15年以上経過した心外導管から心臓の成長を考える
Keywords:TCPC, 心外導管, 心臓の成長
<背景>TCPC施行後15年以上経過し成長を遂げた症例で、心外導管のサイズアップを必要とすることはあまり経験しない。その心外導管は、身長が伸びることで引き伸ばされるものの、自己血管の伸長が成長に大きく寄与している。<目的>肺動脈と下大静脈を吻合している心外導管を指標としてTCPC後の成長に伴う心臓の大きさの変化を知ること<対象・方法>対象は、2000年1月~2005年12月末迄にTCPCを施行した全45例中、TCPC施行年齢が5歳未満の症例でTCPC直後(A)とTCPC後12年以上経過(F)の2点で心カテデータを解析し得た17例。方法は、心外導管で吻合された肺動脈と肝静脈の距離(D)を上記の2点で計測(各々AD,FD)し、その間の身長の伸び(HD)と比較した。<結果>TCPC施行年齢は平均3歳(中央値3歳)、2点の間隔は平均13.8±1.6年。AD=48.8±6.3mm,FD=74.7±13.9mm,FD-AD=25.9±11.6mm。一方、HD=68.8±10.4cmで(FD-AD)/HD=3.6±2.0%。<考察>人工血管は引き伸ばされるものの物理的に成長することはないため、下大静脈や上大静脈が伸長する。肺動脈は上大静脈に引っ張られ、肝静脈は肝臓で固定されているため、肺動脈と肝静脈の距離を心臓の伸長の近似値とすることが妥当と考える。<結論>身長の伸びに対して、その5%程度が心臓の成長であった。