The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

デジタルオーラル

術後遠隔期・合併症・発達

デジタルオーラル(II)45(P45)
術後遠隔期・合併症・発達2

指定討論者:島田 勝利(京都府立医科大学 小児心臓血管外科)

[P45-5] Lateral tunnel TCPCの長期成績

平野 暁教, 吉村 幸浩, 山本 裕介, 野間 美緒 (東京都立小児総合医療センター 心臓血管外科)

Keywords:lateral tunnel TCPC, 長期成績, フォンタン

【目的】当院の循環器チームは10年前にA病院とB病院とC病院が合同して成立しており、前身病院からの長期follow up患者も多く存在している。前身病院と当院の手術記録から抽出したFontan型手術 108例のうち、Lateral tunnel TCPC(LT-TCPC) に焦点を当てて後方視的に検討した。
【方法】当院の前身病院の手術記録と当院での手術記録をもとに後方視的に診療録から検討した。
【成績】108例のFontan型手術のうち、APC-Fontan 8例、LT-TCPC 23例、hemi-Fontan 2例、心外導管型TCPC 75例であった。LT-TCPCの基礎疾患は、三尖弁閉鎖症 7例、両大血管右室起始症 6例、肺動脈閉鎖症 3例、無脾症候群 2例、5例は詳細不明であった。23例のうち、早期死亡は2例、当院外来にて経過観察が可能であったのは14例(60%)で、そのうち遠隔死亡は認めなかった。手術時の平均年齢は3.6歳、 9例はfenestrationありの手術を施行されていた。心外導管型TCPCへのconversionはなく、2例が現在検討中。Follow出来ている14例の術後平均経過年数は19.7年、直近のカテーテルでの平均肺動脈圧は12.1mmHg, 平均肺血管抵抗値は2.5Um2であった。徐脈性不整脈を1例で認めたが、永久ペースメーカー植込術を実施した症例は認めなかった。NYHA 3度以上の慢性心不全を2例、肝機能障害を1例で認め、PLEは認めなかった。精神発達はおおむね問題なく、1例で高度発達遅滞を認めるのみであった。1例で2児の出産経験あり。
【結論】LT-TCPCの長期成績をまとめた。既報に比較して不整脈合併症が少なく、conversionも少ない傾向があった。