[P46-1] Fontan手術非到達患者の予後
Keywords:フォンタン手術, 肺静脈閉塞, 横隔膜神経麻痺
(背景)Fontan手術の適応は、手術の進歩とともに、三尖弁閉鎖から、単心室、二心室修復が困難なチアノーゼ性心疾患まで拡大し、Fontan手術非到達要因も変化してきた。しかし、各時期において、種々の要因でFontan手術の適応にならない症例がある。また、在宅酸素療法、デバイス治療を含む抗心不全治療などの内科的治療の選択肢も増えてきた。(目的)Fontan手術に至らなかった患者の予後を明らかにする。(方法)対象は1977年から2017年までの当院におけるFontan非到達42例(男22女20)である。診療録から後方視的に、基礎疾患、非到達要因、予後について検討した。(結果)基礎疾患は、三尖弁閉鎖7例、右側相同8例、左側相同6例、左室低形成症候群8例、共通房室弁口3例、僧帽弁閉鎖3例、その他7例。手術回数は、1-5回(中央値3回)、最終手術は、両方行性Glenn手術23例、Glenn手術3例、体肺短絡手術9例、肺動脈絞扼手術2例、その他5例であった。非到達要因は、肺静脈閉塞 11例、肺高血圧 7例、Cardiac return 40%以上5例、心機能低下(体心室駆出率<30%) 4例、肺動脈低形成3例、全身性疾患の合併3例、肺動静脈瘻2例、重度三尖弁逆流 1例、その他6例。横隔膜神経麻痺合併は7例 (17%)に見られた。経過観察期間は1-49年(中央値21年)で、死亡23例、生存19例であった。在宅酸素療法は38例 (90%) に施行されていた。2例に心室再同期療法が施行された。死亡年齢は、1-43歳(中央値27歳)で、生存率は、10年85%、20年72%、30年61%、40年27%であった。死因は、心不全6例、呼吸不全5例、腎不全3例、突然死3例、手術関連4例、出血と感染1例ずつであった。(結論)成人期になり、30-40歳を超えると加齢に伴い頻脈性不整脈、心機能低下に伴う腎不全や他臓器障害を合併し生存率が低下した。