[P49-5] ファロー四徴、Modified BTシャント術後にMRCNS菌血症を来し、治療終了後にシャント機能不全所見を認め仮性動脈瘤破裂を未然に防げた4か月女児例
Keywords:シャント機能不全, ファロー四徴, mBTS術後
胎児期に異常の指摘なく、産院で在胎39週1日3220g、経膣分娩で出生。生後チアノーゼと心雑音の指摘あり高次病院へ搬送、心エコーでファロー四徴と診断。生後1ヵ月時に右体肺シャント術施行。術後肝酵素上昇を認め、ワーファリン・ジピリダモールは中止し、アスピリンと肝庇護薬を内服し退院。生後3か月時に咳嗽・発熱で当院受診され、胸部写真より気管支炎の診断、血液検査でCRP=6.83mg/dLでありCTXで加療開始。入院時の血液培養よりMRCNSを検出、感受性の判明した入院6日目よりVCMを追加。入院3日目に再検した血液培養陰性。緩徐にCRP改善を認め治療継続としたが、入院12日目にCRP再上昇を認め、抗原検査で百日咳LAMP陽性でありVCM中止、CAM開始。その後CRP改善を見認め入院19日目に退院。退院後、咳嗽は一度改善傾向を認めたが再度増悪を認め、2週後に当院受診時に強い咳嗽発作からチアノーゼを認め、酸素投与と鎮静で改善を認めた。聴診で連続性雑音を認めず、シャント術後にもかかわらず無酸素発作を認めたため、シャント機能不全を疑い、心エコー検査でシャント血流を認めなかったため高次病院へ搬送、造影CTでシャント離断、血腫形成の診断で緊急手術。血液培養、人工血管培養は陰性。左体肺シャント術を施行し退院。現在根治術のため外来フォロー中である。菌血症発症時にシャント感染を合併し、治療により菌血症は改善したが血管障害があり、百日咳による強い咳嗽も誘因となりシャント離断を生じたと考えられた。シャント術後の酸素化不良に対して身体所見、経過からシャント機能不全を疑い迅速に対応することが必要である。