[P55-3] 健康診断より診断に至った無症候性孤立性右室低形成の1例
キーワード:右室低形成, 成人女性, 拘束性障害
【背景】孤立性右室低形成は右室流入および流出路の狭窄を伴わず右室心尖部の低形成を呈し、心房間交通以外の先天性心疾患の認められない稀な疾患である。本邦においては症例報告が散見されるのみであり、自然歴や予後に関しては不明な点が多い。今回、我々は健康診断にて心電図異常を指摘されことをきっかけに診断に至った自覚症状のない成人女性の症例を経験したため報告する。【症例】27歳女性。特記すべき既往歴なし。勤務先の健康診断にて心電図異常を指摘され精査目的に当院を受診された。心電図では右房負荷所見を認め、心臓超音波検査にて右室心尖部の低形成、右房拡大を認めた。ASDを含め他の先天奇形は認められなかった。心臓MRI及び右室造影にても同様に右室低形成、右房拡大が確認された。自覚症状はないものの心拍出量は低く、RV圧波形においては拘束性障害を示唆するdip and plateauや著明な心房収縮期のスパイクを認めた。現在無症状であるが疾患の理解を得ると共に今後の人生計画を踏まえた治療介入の必要性に関して検討をしている。【結語】孤立性右室低形成は右室のサイズ、心房間交通の有無などにより症状も様々となり得る稀な疾患であり症例に応じた治療計画が必要であると考えられる。