[P66-1] 川崎病罹患者の年齢と性別を考慮した治療反応性の検討
Keywords:川崎病, 発症時年齢, 治療抵抗性
【背景】川崎病は男児に多く、冠動脈後遺症の合併も男児に多いことが知られている。免疫グロブリン静注療法(IVIG)不応は冠動脈後遺症のリスクとして知られているが、初回IVIGでの解熱例や早期に自然解熱してIVIG未実施例でも冠動脈後遺症を残した症例の報告も少なくない。【目的】治療抵抗性について、性別と年齢を考慮して検討した。【方法】和歌山川崎病研究会が毎年実施している年間新規発症例調査(回収率100%)の報告例(川崎病診断の手引きで診断)で、第1病日が1999年10月1日から2017年9月30日であった2106例(男児 1215、女児 891)を対象とした。2nd line以降の治療を受けたものを治療抵抗性有りと定義した。治療抵抗性有りについて、男女別に、年齢(1歳未満、1-3歳、4歳以上)について、ロジスティック回帰分析によって、1-3歳を基準としたオッズ比(ORs)と95%信頼区間(CIs)を計算した。【結果】年齢の中央値は25か月(範囲 1-212)であった。治療抵抗性を21.4%(男児 25.0%、女児 16.5%;P<0.001)に認め、年齢層別では、1歳未満で18.7%、1-3歳で21.0%、4歳以上で25.6%(P=0.033)であった。治療抵抗性有りについて、男児で1歳未満はOR 0.75 (95% CI 0.54-1.04), 4歳以上はOR 1.20 (95%CI 0.87-1.67)であり、女児で1歳未満はOR 1.07 (95%CI 0.67-1.72), 4歳以上はOR 1.55 (95%CI 1.03-2.35)であった。【結論】川崎病の治療反応性について、1-3歳に比べて1歳未満で2nd line以降の治療を受けた割合が低く、4歳以上ではその割合が高かったが、男女で傾向が異なった。女児では1-3歳を基準とした場合に4歳以上で治療抵抗性が有意に高かった。男児では、1-3歳を基準とした場合に治療抵抗性は1歳未満で低い傾向が伺えたが有意ではなかった。