The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

川崎病・冠動脈・血管

デジタルオーラル(II)66(P66)
川崎病・冠動脈・血管2

指定討論者:梶野 浩樹(網走厚生病院 小児科)

[P66-1] 川崎病罹患者の年齢と性別を考慮した治療反応性の検討

竹腰 信人1, 北野 尚美2,3, 武内 崇4, 末永 智浩4, 垣本 信幸4, 鈴木 崇之4, 土橋 智弥4, 澁田 昌一5, 立花 伸也6, 鈴木 啓之4 (1.公立那賀病院 小児科, 2.和歌山県立医科大学 地域・国際貢献推進本部地域医療支援センター, 3.和歌山県立医科大学 公衆衛生学講座, 4.和歌山県立医科大学 小児科, 5.紀南病院 小児科, 6.橋本市民病院 小児科)

Keywords:川崎病, 発症時年齢, 治療抵抗性

【背景】川崎病は男児に多く、冠動脈後遺症の合併も男児に多いことが知られている。免疫グロブリン静注療法(IVIG)不応は冠動脈後遺症のリスクとして知られているが、初回IVIGでの解熱例や早期に自然解熱してIVIG未実施例でも冠動脈後遺症を残した症例の報告も少なくない。【目的】治療抵抗性について、性別と年齢を考慮して検討した。【方法】和歌山川崎病研究会が毎年実施している年間新規発症例調査(回収率100%)の報告例(川崎病診断の手引きで診断)で、第1病日が1999年10月1日から2017年9月30日であった2106例(男児 1215、女児 891)を対象とした。2nd line以降の治療を受けたものを治療抵抗性有りと定義した。治療抵抗性有りについて、男女別に、年齢(1歳未満、1-3歳、4歳以上)について、ロジスティック回帰分析によって、1-3歳を基準としたオッズ比(ORs)と95%信頼区間(CIs)を計算した。【結果】年齢の中央値は25か月(範囲 1-212)であった。治療抵抗性を21.4%(男児 25.0%、女児 16.5%;P<0.001)に認め、年齢層別では、1歳未満で18.7%、1-3歳で21.0%、4歳以上で25.6%(P=0.033)であった。治療抵抗性有りについて、男児で1歳未満はOR 0.75 (95% CI 0.54-1.04), 4歳以上はOR 1.20 (95%CI 0.87-1.67)であり、女児で1歳未満はOR 1.07 (95%CI 0.67-1.72), 4歳以上はOR 1.55 (95%CI 1.03-2.35)であった。【結論】川崎病の治療反応性について、1-3歳に比べて1歳未満で2nd line以降の治療を受けた割合が低く、4歳以上ではその割合が高かったが、男女で傾向が異なった。女児では1-3歳を基準とした場合に4歳以上で治療抵抗性が有意に高かった。男児では、1-3歳を基準とした場合に治療抵抗性は1歳未満で低い傾向が伺えたが有意ではなかった。