[P69-3] 心不全症状を呈した先天性左大腿動静脈瘻の一例
キーワード:新生児, 動静脈瘻, 血管
【背景】先天性動静脈瘻には肺動静脈瘻や脳動静脈瘻、門脈体循環シャントが心外シャントを形成する疾患として報告例があるが、先天性大腿動静脈瘻は医原性や外傷性のものを除いてこれまで報告例がない。今回、新生児期より心不全症状を呈したと考えられた、先天性左大腿動静脈瘻の一例を経験したため報告する。
【症例】日齢18、女児。在胎39週6日に経腟分娩で出生した。出生後適応良好であったが、日齢3から努力呼吸が出現し改善得られず日齢7に前医へ転院搬送となった。前医心エコーから右心系の拡張とIVCの拡大を認めたが心内奇形を確認できず、うっ血性心不全の診断で利尿剤開始後、精査目的に当院紹介となった。当院入院時はすでに症状は改善し、精査でも異常所見が得られず、利尿剤継続のうえ日齢37に退院、外来通院とした。外来通院中に利尿薬を漸減中止したところ、日齢75から大腿径の左右差が出現し、左鼠径部から大腿にかけてThrillが触知され、連続性血管雑音も聴取された。再度入院し心臓・血管カテーテルを行い先天性大腿動静脈瘻の診断に至った。動静脈瘻閉鎖術を施行、その後身体所見は消失、経過良好で外来経過観察中である。
【考察】動静脈瘻の成因は医原性や外傷性など後天的な原因によるものが多いと知られており、また、心不全症状をきたした大腿動静脈瘻の報告は成人例に限られている。本症例はシャント血流そのものが多かったため新生児期から症状が出現したと考えられた。
【症例】日齢18、女児。在胎39週6日に経腟分娩で出生した。出生後適応良好であったが、日齢3から努力呼吸が出現し改善得られず日齢7に前医へ転院搬送となった。前医心エコーから右心系の拡張とIVCの拡大を認めたが心内奇形を確認できず、うっ血性心不全の診断で利尿剤開始後、精査目的に当院紹介となった。当院入院時はすでに症状は改善し、精査でも異常所見が得られず、利尿剤継続のうえ日齢37に退院、外来通院とした。外来通院中に利尿薬を漸減中止したところ、日齢75から大腿径の左右差が出現し、左鼠径部から大腿にかけてThrillが触知され、連続性血管雑音も聴取された。再度入院し心臓・血管カテーテルを行い先天性大腿動静脈瘻の診断に至った。動静脈瘻閉鎖術を施行、その後身体所見は消失、経過良好で外来経過観察中である。
【考察】動静脈瘻の成因は医原性や外傷性など後天的な原因によるものが多いと知られており、また、心不全症状をきたした大腿動静脈瘻の報告は成人例に限られている。本症例はシャント血流そのものが多かったため新生児期から症状が出現したと考えられた。