The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

外科治療

デジタルオーラル(II)80(P80)
外科治療2

指定討論者:安達 理(宮城県立こども病院 心臓血管外科)

[P80-3] 当院におけるContegra使用症例に対する再手術の経験

前田 登史1, 長門 久雄1, 森 おと姫1, 吉澤 康祐1, 大野 暢久1, 稲熊 洸太郎2, 豊田 直樹2, 石原 温子2, 坂崎 尚徳2 (1.兵庫県立尼崎総合医療センター 心臓血管外科, 2.兵庫県立尼崎総合医療センター 小児循環器内科)

Keywords:右室流出路, 総動脈幹症, Contegra

【背景】本邦では2012年から、先天性心疾患の右室流出路(RVOT)再建にContegraが使用可能となったが、その問題点に関する報告は少ない。当院では2017年から3例にContegraを使用し、2例についてContegra植え込み後右室流出路再置換(re-RVOTR)を要したので報告する。【症例1】8か月男児、7.6kg。総動脈幹症、大動脈弓離断。生後4日に両側肺動脈絞扼術、生後27日に心内修復(Contegraサポートなし12mm、ePTFE糸による補強、大動脈弓直接吻合)を施行した。総動脈幹弁逆流とRVOTSの進行、上行大動脈の屈曲拡大による気管狭窄のため7か月後に再手術となった。PSRなし、肺動脈圧22/11(16)mmHg、RVOT圧較差34mmHgであった。総動脈幹弁形成、上行大動脈延長、re-RVOTR(自作3弁付きePTFE conduit 14mm)を行った。Contegraの中枢吻合部に仮性内膜の肥厚を認め、RVOTSの原因と考えられた。現在術後5か月、経過良好である。【症例2】2歳男児、10.4kg。総動脈幹症。生後13日に壊死性腸炎を発症、生後14日に両側肺動脈絞扼術、6か月時に心内修復(Contegraサポートなし14mm、ePTFE糸による補強)を施行した。その後左右肺動脈狭窄に対してバルーン拡張を3度施行したが改善せず、また経時的にContegraが弁上で拡大傾向であり、1.5年後に再手術となった。PSRなし、肺動脈圧は分岐前、左、右それぞれ42/7(20)mmHg、14/8(12)mmHg、17/8(12)mmHg、肺動脈圧較差は左右それぞれ33、24mmHgであった。肺動脈形成、re-RVOTR(自作3弁付きePTFE conduit 16mm)を行った。Contegraの吻合部は問題なく、拡大部は壁が菲薄化し血液が透見された。肺動脈は吻合部以遠で壁肥厚を認め、そのためにContegra内圧が上昇し拡大したものと思われた。現在術後4か月、経過良好である。【結語】Contegra植え込み後に異なる原因によるre-RVOTRを経験した。Contegra植え込み後に起こりうる問題点を把握し、経過観察を行うことが必要と考えられた。