The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

外科治療

デジタルオーラル(II)80(P80)
外科治療2

指定討論者:安達 理(宮城県立こども病院 心臓血管外科)

[P80-6] T弁の異形成、hypo RVを伴うcritical PSに対して、palliative RVOTRを行った1例

城 麻衣子1, 中田 朋宏1, 渡部 聖人1, 安田 謙二2, 中嶋 滋記2, 織田 禎二1 (1.島根大学 医学部 心臓血管外科, 2.島根大学 医学部 小児科)

Keywords:critical PS, hypo RV, palliative RVOTR

【背景】critical PS(cPS)は、初期治療としてPTPVがなされるが、その後外科的介入を要することも多い。またT弁形態やRV size等により、治療方針も大きく異なる。【症例】9ヶ月、10.9kg。診断はcPS、PFO、TR、mild TS、hypo RV。day15:PTPV施行され、RV圧:70→60mmHgへと低下。UCG上TR:moderate-severe→moderate、流速:5.3→3.4m/s、またP弁流速:3.7→1.8m/sと改善。計測上RVEDV:62.4% of N。PFOがRL shuntであり、HOTで退院。退院後徐々にRV圧の上昇を認め、5ヶ月時再PTPV行うも無効。計測上RVEDV:56.1% of Nと有効な成長を認めず。PFO閉塞テストでは、CVP上昇、BP低下、CI低下。また計測上Rp:6.1。UCG上のT弁輪サイズは18.8mm(105.3% of N)だが、流入径が7.2mmと狭く、流入速度1.6m/s、TR mild-moderateで、流速4.8m/s。P弁は8.8mm(80% of N)だが、肥厚が強く、流速4.2m/s。【方針】計測上のRV-TV indexは0.523であったが、T弁形態に懸念があるため、一期的根治は不可と判断し、palliative RVOTRを行う方針とした。【手術】T弁は前尖と後尖が癒合した2尖構造かつdouble orificeだったため、small orificeを閉鎖、中隔尖のsecondary chordaを切断して浮き上がりを改善させた。弁口は75% of Nのサイザーまで通過。P弁は前方の1尖の硬化肥厚が著しく、温存は困難と考え切除、RV内の異常筋束を可及的に切除した後に、1弁付patchでRVOTRを行った。右心系の能力はある程度望めると考え、PFOは半閉鎖した。【術後経過】急性期は右心不全が強く、利尿期が到来するまで1週間程要した。最終CVPは10前後。UCG上T弁流入径:7.5mm、流入速度:1.5m/s、TRは不変で流速:2.4m/sまで低下、RVOTでの流速:0.84m/s、PFOはrestrictiveとなり、HOT離脱して(SpO2:90%前後)、退院。【まとめ】T弁の異形成、hypo RVを伴うcPSに対して、palliative RVOTRを行った。今後のT弁やRVの成長、またRpなどにより、次期手術を検討する必要がある。