The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

外科治療

デジタルオーラル(II)83(P83)
外科治療5

指定討論者:萩野 生男(千葉県こども病院)

[P83-4] 末梢肺動脈狭窄に対するコンテグラ用いたRastelli手術の経験

水本 雅弘, 正木 直樹, 安達 理, 崔 禎浩 (宮城県立こども病院 心臓血管外科)

Keywords:Rastelli, コンテグラ, PA形成

【背景】コンテグラは,小口径サイズがあり,素材が柔らかく操作性が容易で止血に有用とされる.また,末梢側吻合において同時にパッチ形成することも可能であり,末梢肺動脈狭窄例に対するgraft選択の一つとなる可能性がある.末梢肺動脈狭窄に対してコンテグラを用いたRastelli手術3例を経験し,その早期成績について検討した.症例1:2歳4ヶ月女児.DORV/PA, 左→右mBTS術後. 21 trisomy, 超低出生体重児, 慢性肺障害, 気管切開術後を合併.BW10.4kg,PAI307だが右PA分岐部狭窄4mmあり.コンテグラ16mmにて右PA形成を伴うRastelli手術を施行.術後1年にBAP追加.術後2年,右PA7.6mmと経過は良好である.症例2:3歳6ヶ月女児.PA/VSD, 右→左mBTS, palliative Rastelli(bulging sinus ePTFE graft 8mm 使用)の術後. BW11.5kg, PAI147,左PA狭窄3.8mmあり. コンテグラ12mmにて左PA形成を伴うre-palliative Rastelli手術を施行. 術後6ヶ月,左PAにBAP施行し, 左PA5.2mm,PAI237と経過は良好である。症例3:2歳2ヶ月男児. PA/VSD, MAPCAs, 左→右UF + mBTSの術後. BW9.4kg, 左PA-左mBTS吻合部に高度狭窄2mmあり, BAPで拡張得られず. コンテグラ12mmにて左PA形成を伴うpalliative Rastelli手術を施行. 術後造影CTで左PA開存と拡張を確認し,経過観察中である.【まとめ】3例全て成長遅延があり,左右mBTSの術後で末梢肺動脈狭窄を合併していた.術中出血はほぼ認めず,術後血栓トラブルなくPA開存,退院となった.術後PA成長は得られているが,遠隔期の瘤化,塞栓等の合併症を含め慎重な経過観察が必要である.【結語】末梢肺動脈狭窄を有するRastelli手術においてコンテグラはgraft選択の一つとなりうると考える.