[P84-4] 総動脈管症の外科治療成績
キーワード:総動脈管症, 外科治療, 遠隔成績
【目的】当院における総動脈管症の外科治療成績を検討する.【対象と方法】1997- 2019までに当院で初回から治療介入した6例を対象とした.合併症は,鰓弓症候群 1, shock+脳出血 1, shock+IAA(B)+気管支軟化症 1, 低出生体重+甲状腺機能低下症 1であった.初期2例に一期的修復術(PR)をその後の4例にBil.PABによる段階的修復術(SR)を行なった.【結果】1) I型,2.7kg, 22dにB-M法施行.残存PS,PHに対してRe-RVOTRするもLOSのため死亡.2) II型,2.8kg, 鰓弓症候群.14dにREV法施行.残存PS,PHに対してRe-RVOTRするもLOSのため死亡.3) I型,2.5kg, 2dにshockで搬送されBil.PAB施行.脳出血を合併,5moにRastelli(R)施行するも,5 yに遠隔死亡.4) I型,2.7kg, IAA(B).15dにductal shockで搬送,Bil.PAB施行.1moにmB-P術施行.8moにR施行.通院中.5) I型,2.9kg, 10dに通常のPAB施行.14moにR施行し通院中.6) I型,1.6kg, 13dにBil.PAB施行.PTAし待機, PAの発育悪く16moに姑息的R施行. DCM発症し3yに遠隔死亡.【まとめ】初期にPRした2例はともにPSの残存と周術期のPHのコントロールに難渋して失っていた.術式の工夫と現在の周術期管理であれば乗り切れた可能性があると考えられ,症例2)のような心外奇形例はSRが良かったかも知れない.術前shock状態を含む後期4例のSRはすべてRに到達していた.SRとした理由としてはショック2例,低体重1例で,1例は方針変更のためであった.合併複雑心奇形症例,体外循環不適例,心外奇形合併例に対する段階的修復には異論がないと考えられるが,体重増加不良の場合もあり,姑息的R術(RV-PA shuntを含む)に早期に移行するべきと考えられた. 【結語】条件がそろった場合にはPRを考えているが,不安要素があればSRも妥当と考えられた.