The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

外科治療遠隔成績

デジタルオーラル(II)91(P91)
外科治療遠隔成績1

指定討論者:加藤 伸康(北海道大学大学院医学研究院 循環器呼吸器外科)

[P91-1] ePTFE手作り3弁付き人工導管による右室流出路再建の治療成績

辻 重人1, 小泉 淳一1, 滝沢 友里恵2, 中野 智2, 齋木 宏文2, 高橋 信2, 小山 耕太郎2, 猪飼 秋夫3, 金 一1 (1.岩手医科大学 心臓血管外科, 2.岩手医科大学 小児科, 3.静岡県立こども病院 心臓血管外科)

Keywords:右室流出路再建, ePTFE graft, 小口径

【背景】当院では右室流出路再建の選択導管として、ePTFEによる手作り3弁付き人工導管を採用している。口径別の治療成績を検討した。【方法】2007年4月~2019年12月まで、ePTFE手作り3弁付き人工導管で右室流出路再建術を施行した44症例を後方視的に検討した。全例ePTFE graft+0.1mm ePTFE sheetで弁作成を行った。10~14mmを小口径(S群)、16~18mmを中口径(M群)、20~24mmを大口径(L群)として、群別に早期/遠隔期死亡率、術後PR/PS回避率、導管交換回避率を評価した。【結果】PAVSD 25例、DORV/PS 5例、TOF 4例、ccTGA 3例、TGA (III) 3例、その他4例、MAPCA合併13例であった。S群6例(14%)、M群21例(48%)、L群17例(39%)であった。群別の介入時期と体重の中央値は、S群で5.5カ月(0~108カ月)/4.0kg(2.4~6.3kg)、M群で12カ月(8~108カ月)/9.0kg(6.8~21kg)、L群で120カ月(7~408カ月)/23kg(13.6~62.2kg)であった。早期死亡例なし、遠隔期はS群で非手術関連死亡を1例認めた。術後PR回避率(mild以下)はS群100%(6/6)、M群86%(18/21)、L群100%(17/17)、術後PS回避率(valvular+peripheral)はS群83%(5/6)、M群48%(10/21)、L群94%(16/17)、導管交換回避率はS群83%/20.2カ月(3~53カ月)、M群86%/76.0カ月(2~138カ月)、L群94%/63.4カ月(19~122カ月)であった。群別では、S群はPTPV 1例、graft交換1例、M群ではPTA 6例、PTPV 4例(平均術後81カ月)、graft交換3例(平均術後73カ月)、L群ではPTA 1例、graft交換1例であった。【結語】小口径も含めてePTFE手作り3弁付き人工導管は良好な成績であった。小口径はfollow-up期間が短く症例数も少ないため、さらなる症例の蓄積が必要である。