[P92-2] 当院の冠動静脈瘻9例の経験 -適応と周術期合併症について
キーワード:冠動脈瘻, 遠隔機成績, 早期手術
【背景】冠動脈瘻(CAF)について,冠動脈が近接する心血管腔に直接開口する異常であり,頻度は正常心の0.08-0.67%,先天性心疾患の0.3%.治療方法はカテーテル治療・外科治療であり,手術成績についてはともに良好とされているが,合併症として虚血性の心電図変化,心筋梗塞,血栓形成,不整脈,脳梗塞,CAVFの再発がある.当院では9例の外科的治療を経験.そのうち3例について遠隔機成績ともに報告する.
【症例1】生後7日,女児.RCA→RV fistulaであり,他の心疾患なし.high flow shockのため手術施行.術後経過は問題なく,生存退院.1歳児の心カテでRCA閉鎖が判明,RCA #3で閉塞し,LCAからの側副血行で末梢造影.現在24歳,外来経過観察中.
【症例2】生後15日,男児.RCA→RV fistulaであり,他の心疾患なし.心電図にてST低下あり,RCA flowのstealによるものと判断.心不全進行のため,生後15日で手術施行.術直後から抗凝固療法開始したがPOD 8にRCA中枢に血栓の存在が判明.tPA投与し血栓は縮小したが残存.血栓は残存したが,末梢までのflowあり,POD61退院.現在術後1年,外来通院中.2歳頃のCAG再検予定.
【症例3】7ヶ月,男児.RCA→RV fistula,valvular PS.PSにより肺血流はある程度制御されており,体重増加を待ち手術施行.RCA切開し入口を直接縫合閉鎖.RCAの縫縮は剥離が困難で行えず.術後,少量のleakが残存したが,冠動脈腔内に血栓はなし.現在,術後3ヵ月で外来通院中.近日中に心カテーテル検査予定.
【考察】RCA→RV fistulaは高肺血流となり出生後早期に介入を必要とすること,心室に開口しており冠動脈内膜が高速血流により損傷を受け,血栓形成が起きやすいと考えられる.CAFは手術死亡率は低いが,遠隔期も含めると血栓形成や閉塞などのリスクが上がるため,長期的なフォローが必要である.
【症例1】生後7日,女児.RCA→RV fistulaであり,他の心疾患なし.high flow shockのため手術施行.術後経過は問題なく,生存退院.1歳児の心カテでRCA閉鎖が判明,RCA #3で閉塞し,LCAからの側副血行で末梢造影.現在24歳,外来経過観察中.
【症例2】生後15日,男児.RCA→RV fistulaであり,他の心疾患なし.心電図にてST低下あり,RCA flowのstealによるものと判断.心不全進行のため,生後15日で手術施行.術直後から抗凝固療法開始したがPOD 8にRCA中枢に血栓の存在が判明.tPA投与し血栓は縮小したが残存.血栓は残存したが,末梢までのflowあり,POD61退院.現在術後1年,外来通院中.2歳頃のCAG再検予定.
【症例3】7ヶ月,男児.RCA→RV fistula,valvular PS.PSにより肺血流はある程度制御されており,体重増加を待ち手術施行.RCA切開し入口を直接縫合閉鎖.RCAの縫縮は剥離が困難で行えず.術後,少量のleakが残存したが,冠動脈腔内に血栓はなし.現在,術後3ヵ月で外来通院中.近日中に心カテーテル検査予定.
【考察】RCA→RV fistulaは高肺血流となり出生後早期に介入を必要とすること,心室に開口しており冠動脈内膜が高速血流により損傷を受け,血栓形成が起きやすいと考えられる.CAFは手術死亡率は低いが,遠隔期も含めると血栓形成や閉塞などのリスクが上がるため,長期的なフォローが必要である.