[P93-5] 両側SVC合併左心低形成症候群における肺動脈成長に関する検討
Keywords:HLHS, 肺動脈狭窄, bil.SVC
【はじめに】左心低形成症候群術後の合併症として左肺動脈狭窄があり、Norwood手術後の大動脈の走行や両側肺動脈絞扼術の影響などが考えられる。肺動脈狭窄は時に肺動脈形成術やStent留置などの処置が必要となり、構造上左の狭窄であることが多い。肺動脈狭窄の原因として肺動脈血流の影響を検討するため、片側SVCと両側SVCで検討を行った。【方法】出生日が2000年1月から2019年12月で、当院にてFontan手術を施行されたHLHS患者を抽出し、両側SVC・片側SVCに分類してカルテを用いて後方視的検討を行った。データ欠損の多いもの、染色体異常・遺伝子異常のあるものは除外した【結果】上記検討期間においてFontan術後にカテーテル検査を施行した片側SVC 87例、両側SVC 12例のHLHS患児を検討した。Fontan手術前にはPA indexは両側SVC:片側SVC=210.9:177.4(p=0.054)で両側SVC群で高い傾向で、特に左肺動脈(簡易的にLPA径/BSAを使用)は両側SVC:片側SVC=15.9:12.7(p=0.0323)と両側SVC群で有意に高い結果となった。しかし上記計測値はFontan術後半年のカテーテル検査ではPA index 両側SVC:片側SVC=177:179(p=0.89)、LPA/BSA 両側SVC:片側SVC=12.2:12.5(p=0.73)と有意差はなく、直近のカテーテル検査でも同様であった。【考察】両側SVCでは片側SVCと比較しLPA血流が増えることで末梢肺動脈の成長が見込まれると考えられた。