[TRP3-4] 手術目的で入院している乳幼児で付き添い交代者がいない母親のストレスの実態調査
キーワード:付き添い, ストレッサー, コーピング
【背景】手術目的で入院している児に母親が付き添う過程で、児から離れたいと訴える場面に直面し、付き添いは、母親にとってストレスを増強させる要因(以下ストレッサー)であり、ストレスが蓄積した母親への看護介入の検討は重要課題だと考えた。【目的】手術目的で入院している乳幼児に付き添う母親のストレッサーを調査した先行研究から、付き添い交代者がいる方がストレスは低い傾向がみられた。そのため付き添い交代者がいない母親のストレッサーとコーピングスタイルの関連を分析し看護介入の一助としたい。【方法】自記式無記名、関係探索研究。対象者:手術目的で入院している付き添い交代者がいない乳幼児の母親47名。調査内容は母児の基本情報、入院生活におけるストレス項目、心理的ストレス反応測定尺度SRS-18(以下SRS-18)、コーピングスタイルで構成した。分析はSRS-18の合計得点と母児の基本情報の中央値はマンホイットニーのU検定、SRS-18の合計得点とストレッサー(環境、行動、精神、医療、身体要因)、コーピング(問題焦点、情動安定、楽観思考)はスピアマンの積率相関係数を用いた。【倫理的配慮】A大学の倫理審査委員会の承認を得た。【結果および考察】基本情報とSRS-18では有意差はなかったが入院期間が1か月未満の母親の方がストレスは低い傾向がみられ、ストレッサーとの関連は、身体、行動と精神、医療は中程度の相関、コーピングスタイルとの関連は、楽観思考は弱い負の相関がみられた。付き添い交代者がいない母親は楽観思考であっても有意なストレスは認められ、入院は母親のストレスを増強させるということが予測された。また、入院期間がストレスに関連していることが推測された。【結論】母親の性格に関わらず、母親の行動制限、周囲を気にするなどの精神面、医療者の行動がストレッサーになっていた。ストレッサーの要因をふまえて母親への看護介入をすることが必要であると示唆された。