[TRP4-1] BiPSEE医療XR®が患児の処置時に与える影響に関する看護師調査
Keywords:BiPSEE医療®, 小児, 処置介助
【背景】患児にとって、点滴挿入や採血など痛みを伴う処置は、苦痛や恐怖感が増強する行為である。BiPSEE医療®は、ゴーグルを装着しAR・VRとアニメを組み合わせた映像を見ることで子供の不安と痛みの軽減を目指すシステムである。小児領域で使用が始まっているが、有用性についての研究はなされていない。【目的】BiPSEE医療XR®が患児の処置時に与える影響について分析する。【方法】病棟内の処置を受ける7名の患児に関わった看護師を対象に調査票を作成し集計する。【倫理的配慮】所属施設の看護部倫理審査の承認を得て実施した。【結果】介助に入った看護師は6名で、処置内容は採血3件、点滴挿入4件であった。使用前の患児の様子は、激しい啼泣・体動がみられた患児が1名、啼泣のみあった患児が1名、体動のみあった患児が2名、啼泣も体動もなかった患児が3名であった。使用中の患児の様子は、啼泣や体動なくライン確保ができたが4件、患児は楽しそうだったが1件、映像の内容を説明してくれたが1件、激しい啼泣と体動ありが1件であった。処置前から激しい啼泣・体動のあった患児はBiPSEE医療XR®の有用性は感じなかったという結果であった。処置中の医療者の行動は、患児へ動かないよう指示する声かけやVRの内容の声かけを行っていた。【考察】BiPSEE医療XR®を使用し、患児の気持ちを和ませることで採血や点滴確保がスムーズに実施できた。処置中のBiPSEE医療XR®の使用によって、処置以外の物へ気を向けることが出来たため、処置に対する恐怖心の軽減が出来たのではないかと考えられる。しかし、処置前から啼泣・体動のある患児については影響がみられなかったため、ゴーグルの装着のタイミングの検討や患児の興味を誘導するため、映像内容の充実が必要である。【結論】処置前から激しい啼泣・体動のあった患児については影響がみられなかったが、その他の患児については処置に対する恐怖心の軽減に影響を及ぼした。