The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

多領域(看護)

デジタルオーラル多領域専門職部門(II)04(TRP04)
多領域(看護)

指定討論者:井林 寿恵(京都府立医科大学附属病院)

[TRP4-2] PICU早期リハビリテーション導入のための取り組みとその問題点

今田 久美子, 八木沢 真理子, 保田 真菜美, 野村 亜弥, 蘆原 夏美, 神山 慧子, 田邉 由美子, 多賀 直行, 永野 達也 (自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児集中治療部)

Keywords:早期リハビリテーション, PICU, 医療システム

【背景】集中治療における早期リハビリテーションのガイドラインが示され、成人ICUにおける早期リハビリテーションの有用性が広く認識されるようになった。PICUにおいても早期リハビリテーションが導入されつつあるが、その報告は少ない。【目的】当部門で作成した『PICU早期リハビリテーションプロトコル(以下、プロトコル)』の導入に際し、その取り組みからプロトコル実施上の問題点を抽出し検討する。【方法】2019.12~2020.1の間に入室した、長期呼吸循環サポートが予測される3事例に対してプロトコルを導入した。プロトコルでは、使用している医療機器や薬剤などで対象患者の重症度を3段階に分類し、段階に応じたリハビリテーションの内容、観察項目および中止基準などを文章と写真で明記した。リハビリテーションの実施状況を記録する『PICUリハビリテーション実施票』も作成し、患児の状況を家族と共有した。プロトコル導入後、実施状況と問題点についての聞き取り調査を行い、問題点の洗い出しと検討を行った。【結果】導入前に目的と必要性を担当者に説明したが、プロトコルが十分に実施されない状況であった。その理由として、治療や処置を優先したことと、刺激により興奮状態に陥ることを危惧したことが挙げられた。また、開始前の評価と年齢・発達に合わせた到達目標の不備が指摘された。【考察】早期リハビリテーションの必要性に対する認識不足を改善する必要があると考えられた。担当者がその意義を正しく理解し、理学療法士や家族との連携を得て、早期リハビリテーションを実施する環境整備を検討する必要がある。その一環として、啓蒙活動などの教育と、短期的な目標設定とその達成度を日々評価するなどのシステム面での検討も必要と考えられた。【結論】プロトコル導入の問題点として、看護師の認識不足とプロトコルシステム改善の必要性が明らかとなった。