[I-PD02-2] Multicenter case registration study of pulmonary hypertension with congenital heart disease in Japan
Keywords:肺高血圧症, 先天性心疾患, レジストリ研究
【背景】先天性心疾患を伴う肺高血圧症(CHD-PH)の臨床像は、基礎心疾患の病態、手術・カテーテル治療の有無、残存・合併病変など極めて多彩で、原因別臨床分類では複数の群にまたいで分類される。右心バイパス術後を含む複雑先天性心疾患は、新たに肺高血圧の原因・病態として5群に分類された。このようなCHD-PHの全体像の解明には、臨床分類や疾患の枠を超えた独自の横断的アプローチが必要である。また、増加の一途をたどる成人先天性心疾患ACHDにおいても肺高血圧診療の標準化は重要な課題である。【目的】基礎疾患や内科的・外科的治療介入の詳細を含めた小児から成人を網羅するCHD-PH独自のレジストリを構築し、国内CHD-PHの診療実態を明らかにする。また集積したデータの解析により、CHD-PHの予後予測因子の解明、適切な治療ならびに管理方法の確立を目指す。【方法】CHD-PHの多施設共同症例登録研究をおこなう。対象は初期登録前後6ヶ月以内に手術・カテーテル治療予定のないCHD-PH症例で、Prevalent case、Incident caseいずれも含める。右心バイパス術後症例も肺血管抵抗係数>3を基準として登録する。登録後はイベント発生時または年1回のフォローアップ入力を行う。初期ならびにフォローアップ時の登録内容には、臨床症状やカテーテル検査結果に加えて、基礎心疾患の詳細、合併疾患、経過中の心臓手術・カテーテル治療などを含める。後方視的な解析によるCHD-PH診療現場の疫学調査とともに、前方視的な症例集積により予後予測因子や治療効果を検討する。【現在の進捗】各施設において研究プロトコールの倫理審査中である。登録システムは、既に症例登録が進んでいる国内の肺高血圧症レジストリ(JAPHR)と共通のプラットフォームを使用する形で完成している。今後、国内の主要心臓手術実施施設、ACHD診療施設の参加を拡充し、All Japan体制で症例を集積する。