[I-PD03-1] Changes in coronary aneurysm diameters after acute Kawasaki disease from infancy to adolescence
Keywords:川崎病, 冠動脈瘤, 心エコー
川崎病 (KD) による心後遺症となる冠動脈瘤(CAA)は、急性期に出現した後、経過とともに変化していく。KDによる急性炎症後の冠動脈が発育とともにどのように変化するか断層心エコー図を用いて検討した。(対象)1995年から2018年までにKD 後CAAが出現し、1年以上断層心エコー図 (2DE)により経過観察できた85例(男62 女23)である。KD罹患後2か月、1年、3年、10年、15年に2DEにより計測された冠動脈径セグメント1、5、6の絶対値、Zスコアを診療録から後方視的にみた。絶対値分類 (A分類)では、N (<3.0 mm)、VS ( ≧3.0 mm but <4.0 mm) 、S (≧4.0 mm but <6.0mm) 、M (≧6.0 mm but <8.0 mm)、L (≧8.0 mm)の5群に、Zスコア分類 (Z分類)では、ZN (Z<2.5), ZS (Z≧2.5 but Z<5.0), ZM1 (Z≧5.0 but Z<7.5), ZM2 (Z≧7.5 but Z<10.0), ZL1 (Z≧10.0 but Z<12.5), ZL2 (Z≧12.5) の6群に分類し、平均±SDを算出し、各群において、反復Bartlett検定を行い、罹患後2か月の冠動脈径と1年、3年、10年、15年の値と比較し、p<0.05を有意とした。C A Aの退縮は3mm未満またはZスコア2.5未満とした。(結果)冠動脈径が2回以上測定された枝数は212で、セグメント1、5、6はそれぞれ84、55、73であった。両分類では、罹患後2か月の冠動脈径と遠隔期の冠動脈径の変化については有意な関連があった。A分類では、L群の1年後のCAA径は罹患後2か月のCAA径と変化なかったが、3年以後には有意に縮小した。N群の罹患後2か月の冠動脈径は、15年後には有意に増加していた。A分類では、M、L群がCAAとして残存し、VS、S群は退縮した。Z分類では、ZM2、ZL1 、ZL2 が、CAAとして残存し、ZS、ZM1 が退縮した。(結論)罹患後2か月の時点のCAAは冠動脈径が6mm未満またはZスコア7.5未満では退縮する。6mm以上またはZスコア7.5以上のCAAは残存しうる。KD罹患後のCAAのない冠動脈は正常に発育する。