[I-PD03-3] Development and Challenges in follow-up of coronary artery lesions in Kawasaki disease using coronary magnetic resonance angiography
Keywords:川崎病冠動脈病変, 冠動脈MRアンギオグラフィー, フォローアップ
【背景】当院では2006年より川崎病冠動脈病変(CAL)に対しVessel wall imaging(VWI)による血管壁肥厚(WT)評価を含めた冠動脈MRアンギオグラフィー(MRCA)を開始し,その有用性について報告してきた.2007年よりアデノシン負荷心筋パーフュージョンMRI(pMRI)による心筋虚血評価を開始し,2017年から非造影MRAによる全身・頭部の動脈瘤スクリーニング(SAAS)も開始した.未だMRCAでのCALフォローアップの実施施設は少ないのが現状である.【目的】MRCAを中心としたCALフォローアップの有用性と課題を検証すること.【対象と方法】2006年8月-2020年12月までCAL疑い症例を含めた94例に対し305回,MRCAを撮像した.撮像時間,CALの内訳と変化,転帰について検討した.【結果】初回MRCA撮像時,平均8.1歳,撮像時間は51分.21例(22%)に対し60回,pMRIを施行した.1例は冠動脈バイパス術(CABG)後,1例は経過中にCABGを行った.脳梗塞を1例に合併していた.心血管イベント死亡はなかった.急性期CALは86例(91%)に認め,巨大瘤6例(6%),中等瘤47例(50%),拡大33例(35%)だった.うち54例(63%)は退縮し,10例(12%)は経過中に狭窄又は閉塞病変を認めた.3例(3%)で腋窩動脈瘤を認め,うち1例(1%)はSAASにより新規に診断された.41例(44%)は初回評価でCT又は冠動脈造影(CAG)を行った.19例(20%)はMRCAでの経過観察中にCT又はCAGを追加し,53例(56%)は複数回MRCAを行なった.VWIは60例(64%)に施行し,40例(43%)でCALにWTを認めた.うち22例(60%)は瘤・拡大の退縮に伴いWTが消失した.9例(23%)は退縮後もWTを認めた.瘤残存29例のうち21例(72%)でWTを認め,5例に対し光干渉断層法で評価し内膜肥厚を確認した.【結論】MRCAは被曝なく低侵襲で,形態評価に加え,血管壁病変や冠動脈外病変のスクリーニングにも有用である.繰り返し画像評価が必要な重症例においてはCTやCAGを組み合わせることで,MRCAの弱点を補完し,多角的なフォローアップを行うことが重要である.