[I-SC-2] Aiming for Zero Deaths: Prevention of Sudden Cardiac Death in Schools
Keywords:院外心停止, 心臓突然死, 学校検診
2005-09年に院外心原性心停止を来した小中学生を対象とした58例の調査研究によれば、学校管理下における心停止例は32例(55%)で学校外発症例26例に比べて運動関連が多く(84%vs 42%, p<0.05)、バイスタンダーAEDがより実施され(38%vs 8%, p<0.05)、社会復帰率が良好 (69%vs 35%, p<0.05)であった。しかし心停止発症前に診断されていた例は28例48%と半数に過ぎず、心臓検診結果との関連も詳細は不明であった。本研究は、病因、発症状況に基づく小中高校生の心原性院外心停止疫学像の解明を目的とした本学会委員会研究であり、先行研究後の環境変化に伴った変遷を明らかにしようとする病院ベースの全国調査である。心臓検診との関連を解析することで心臓検診の精度向上につなげる事も目指している。2017年から院外心停止、心臓震盪が項目に加わった小児期発生心疾患実態調査2019によれば、2019年1月1日から12月31日までの小児循環器専門医修練施設の141施設で管理した小中高校生心原性院外心停止症例は31症例(うち6例心臓震盪)であった。この2017-19年の学会データベースと2015、2016年の一次調査を加えると症例数は5年間で計152例となる。これらを対象とした二次調査を行うためのウエブ登録システムを厚労科研『市民によるAED等の一次救命処置のさらなる普及と検証体制構築の促進および二次救命処置の適切な普及に向けた研究』班で構築した。学校現場での心停止発生は多くはないが、目撃者がいることが多く、講習を受けたバイスタンダーがいて、すぐそこにAEDがあることから、突然死ゼロに近づけることは可能であるし、目指さなければならない。突然死予防策の提言の基盤となる全国調査研究のデータベース構築は本学会にのみに可能かつ重要な責務である。ご協力をお願い致します。