[I-SY02-3] 学童期(6-18歳)のASに対するRoss手術とKonno-AVRの検討
キーワード:学童期, AS, Ross
【目的】学童期ASにおける外科治療では、挿入可能なサイズの人工弁がない場合、様々な理由によりRoss手術もしくは弁輪拡大を追加したAVRを選択することとなる。今回学童期ASにおいてRoss手術、Konno-AVRで手術介入した群を後方視的に検討した。 【対象】1990年1月から2020年3月に当院で施行したRoss手術51名、Konno-AVR 26名中、学童期(6-18歳)ASに対してRoss手術を施行した14名(A群)、Konno-AVR手術を施行した15名(B群)を対象とした。【結果】(以下記載はA/B) 女児5名(36%)/4名(27%)、手術時年齢中央値 9歳(7-18歳)/ 8歳(6-13歳)、体重 29kg(18-78)/ 26kg(13-30)、合併心疾患3名(VSD 2, IAA, SAS, CoA, MSR)/ 9名(VSD 5, SubAS 5, IAA 3, MR, CoA complex, coronary anomaly)でそれぞれ重複あり。術前PTAV 5名/6名、BでAVP 1名。術前AV径 16mm(14-20)/ 16mm(12-19)、術前圧較差 70mmHg(44-140)/80mmHg(41-132)。B群は全例で機械弁を使用、サイズは16mm:4名, 18mm:7名, 19mm:2名, 21mm:2名。Follow-up期間 11.3年(66日-22年)/8.6年(5.2-24.7)で経過観察中の再手術はA群で3名(RVOTR 21%)、B群5名(33%)で仮性瘤1名、SAS 2名、弁機能不全2名(16mm→20mm,18mm→23mmへsize-up)。Autograft径は術前17mm(13-24)、遠隔25mm(18-29)と成長を認めた。遠隔neoARはmild 2名。遠隔死亡は1名(VF,CPA)、NT-proBNPは129(36-294)/74(20-414)。周術期、遠隔期に冠動脈虚血、房室ブロックは認めず。A弁,Autograft関連の再手術回避率は5年88%/93%, 10年88%/66%,15年88%/66%。【考察】当院での学童期ASの手術strategyとして、遠隔期Autograftの問題(以前報告した我々の検討ではRoss手術全体のAutograft関連の再手術回避率は5年92%, 10年79%, 15年79%)やRVOTRの必要性は存在するものの、冠動脈走行の異常やSubASのriskを有する合併疾患が存在するなど、Ross手術の適応から外れる症例に関しては、Konno-AVRも積極的適応となると考えられた。