[I-SY05-1] Impact of red cell distribution width in school-age children complicated by congenital heart disease
Keywords:先天性心疾患, 心不全, 赤血球粒度分布幅
【背景】赤血球粒度分布幅RDWは心不全の程度や予後を予測するマーカーとして近年注目されており、成人先天性心疾患の領域においてもその有用性が報告されている。一方で小児期の先天性心疾患とRDWとの関連性についての報告は少ない。【目的】小児先天性心疾患患者において、既知の心不全や心機能の指標とRDWとの関連性を後方視的に検討する。【方法】2018年1月1日から2020年12月31日の間に小児循環器外来を定期受診し、1回以上の採血が施行された先天性心疾患患者533人のうち、RDWの年齢別基準値がプラトーに達する6歳以上15歳以下の患者を抽出し、定期の心臓カテーテル検査もしくは心臓MRIを施行された48人を対象とした。年齢、性別、動脈血酸素飽和度、診断名、抗心不全薬内服の有無、入院時もしくは6か月以内のBNPやHbを含む血液検査値、体心室のEFと房室弁逆流、CVP、体心室EDP、CIとRDWの関連性を検討した。【結果】対象の年齢127±28か月、二心室循環35人(うち未修復13例)、単心室循環13人(うちFontan術後9例)、SpO2 94.9±4.2%であった。RDWは12.8±1.5%であった。RDWはBNP、動脈血酸素飽和度および抗心不全薬内服の有無と有意な相関を認め、そのほかの指標とは相関しなかった。【考察】小児先天性心疾患患者においてもRDWは成人と同様に心不全指標と相関を示した。一方で動脈血酸素飽和度とも相関が認められ、低酸素血症が鉄代謝を介してRDWに影響を与える可能性がある。【結論】小児先天性心疾患患者においてもRDWは心不全予後のsurrogate markerとなる可能性が示唆された。動脈血酸素飽和との関連も認められるため解釈に注意を要する。