第57回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

会長要望セッション

会長要望セッション01 パネルディスカッション(I-YB01)
COVID19の実態と対策

2021年7月9日(金) 10:40 〜 12:10 Track1 (現地会場)

座長:土井 庄三郎(災害医療センター 小児科)
座長:三浦 大(東京都立小児総合医療センター 循環器科)

[I-YB01-2] 日本小児循環器学会COVID-19対策特別チームのこれまでの取り組み、および全国の修練施設アンケート調査結果報告

立石 実 (聖隷浜松病院 心臓血管外科)

キーワード:COVID-19, COVID-19全国アンケート調査, 先天性心疾患患者におけるCOVID-19感染状況

新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19)の感染拡大に伴い、2020年4月にCOVID-19 関連情報を発信する「日本小児循環器学会COVID-19対策特別チーム」を発足、同月中に学会HP上で理事長声明を掲載し、「COVID-19関連情報特別ページ」で情報発信を開始した。チームは「医療従事者向け情報発信チーム」「患者・家族・社会向け情報発信チーム」「施設間連携情報発信チーム」の3チームで構成されている。
患者・家族・社会向け情報発信チームは、おもに、患者や家族の不安を軽減するための有用な情報発信、COVID-19における全国修練施設アンケート調査と学会HP上での結果報告、当事者団体(心臓病の子どもを守る会)とのオンライン懇談会、を行ってきた。
アンケート調査は2020年7月と2021年2月の2回実施し、各施設の診療(外来・カテーテル・手術)の制限の状況、COVID-19に対する対応、先天性心疾患患者のCOVID-19感染状況について、全国の小児循環器修練施設にご回答頂いた(回答率1回目100%、2回目84.1%)。回答のあった施設の診療状況は、1回目の調査時より2回目のほうが通常に近い状況だったが、手術やカテーテル治療・検査は一時的に、13.1%の施設で40~60%まで、16.4%の施設では40%以下まで制限されていた。また、先天性心疾患患者のCOVID-19感染者の総数は、2021年4月までに56名で、死亡者はなく、重症(ICU治療あり)が2名だった。
当事者団体とのオンライン懇談会は過去4回開催された。私たちチームは、患者・家族の代表からの質問に答えることで不安軽減に努め、また、具体的に患者・家族がどんなことに不安を抱いているかについて把握することができた。
ワクチン接種に関する情報発信や、これまでの先天性心疾患患者の感染状況から重症化リスクの再評価することなどが必要と考えており、今後も積極的に活動を継続する意向である。