[I-YB01-5] A case of school children who saved their lives by introducing VA-ECMO for acute myocarditis associated with COVID-19
Keywords:心筋炎, ECMO, COVID-19
COVID-19に併発し、左心機能低下に、不整脈と伝導障害を強く呈した急性心筋炎の1例を経験した。症例は15歳男児。発熱2日目にSARS-CoV-2 PCR陽性のため翌日A病院入院。心窩部痛の訴えがあり、血液検査で炎症反応と逸脱酵素の上昇、CTで肺野にすりガラス影を認めた。第5病日、B病院転院。TnT陽性、胸部X線で心拡大と肺うっ血を、心エコーで左室収縮低下を認め、ドブタミン・ノルアドレナリン投与開始となった。経過中に心機能増悪、心室頻拍が出現しアミオダロン投与で停止したが、その後から完全房室ブロック(CAVB)を呈した。臨床的に急性心筋炎の診断で、心機能低下と不整脈による循環不全に対して体外式膜型人工肺(ECMO)導入が検討され、気管挿管下に当院へ搬送。LVEF=20%、QRSは軽度wideでHR 40のCAVBであり、今後血行動態破綻が懸念され、VA-ECMO導入とした。大腿動静脈から経皮的にカニューレ挿入し80%フローで導入開始。血圧管理に難渋し多剤の血管拡張薬を要した。幸いECMO導入翌日にはLVEF=30%と左心機能は改善傾向にあり、導入2日後にECMO離脱が可能であった。心拍上昇を期待して、イソプロテレノール(ISP)を使用したが、CAVBの改善はなかった。心室性期外収縮(PVC)が散発しアミオダロンは継続した。最終的にEF=45%程度まで改善し、第23病日に循環作動薬は中止。その後もCAVBにより徐脈であったが、循環は破綻することなく経過したため、第32病日に前医に転院となった。COVID-19に対する治療は、ヘパリン・デキサメタゾン・レミデシビルを投与した。心筋生検は未施行であり、精密なウイルス学的考察は行っていないが、本邦の小児COVID-19症例に対してVA-ECMOを導入した第1例であり、ECMO導入により救命しえた貴重な症例でありここに報告する。